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- 10月日銀決定会合:実質ゼロ金利政策、資産買入基金創設、時間軸の強化、かなり踏み込んだ円高対応
■introduction
円高阻止に向けて日銀が動いた。日銀は4~5日に開いた金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を現状の0.1%前後から「0.0~0.1%」に引き下げ、実質ゼロ金利政策を採用した(利下げは2008年12月19日以来)。また同時に、国債や上場投資信託(ETF)、不動産投資信託などを5兆円規模で購入する「資産買入基金」も創設する。さらに時間軸の強化を行い、物価の安定が展望できるまで実質ゼロ金利を継続することも明確にした。
かなり踏み込んだ政策を実施してきた。輸出、生産統計も足元頭打ち、さらに9月調査短観で現状の円高水準が続けば下期の経済が危ういということが読み取れ、何らかの政策対応が必要との認識となったのだろう。追加緩和策としてもっとも可能性が高いオプションは固定金利オペの増額や期間の延長だったが、11月の初めにFOMCで例えば長期国債の大規模な買入れが決定されるなどすれば、米国の政策実施のインパクトのほうがより緩和的と市場は捉える可能性が高く、より踏み込んだ政策を採らない限り「小出し」「打ち止め」との思惑で返って円高に進む可能性すらあるとの判断が今回の政策決定につながったと思われる。
市場は株高、円安に振れた。追加緩和の賞味期限を見るうえでは本日海外に入ってからの反応が注目だ。
今後追加緩和合戦の様相を呈すと思われる。11月のFOMCに対して市場がどのような評価を下すかで日銀の次の緩和時期が左右される。政府は国際会議が続く中、介入実施は難しい状況にある。市場が円高に振れた局面では再び日銀は動く展開が予想される。
(2010年10月05日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
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