- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 8月マネー統計:投資信託の伸びが失速し始める
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 大・中堅企業向けの減少幅が拡大傾向
・マネタリーベース: 高水準の資金供給が続く
・マネーストック: 投資信託の伸びが失速
■introduction
日銀が発表した貸出・資金吸収動向等によると、8月の銀行総貸出(平残)の前年比伸び率は▲2.1%と、9ヶ月連続の前年割れとなった(前月は同▲1.9%)。地銀(第2地銀含む)はわずかながら増加(前年比0.2%増)しているが、都銀等(同▲3.9%)では大幅なマイナスが続いている。
7月段階の貸出先で見ると、企業規模を問わず減少が続いているが、特に大・中堅企業向け(同▲7.2%)の減少幅拡大に歯止めがかかっていない(図表1~5)。
日銀による「成長基盤強化を支援するための資金供給」(研究開発や環境などの分野への投融資に取り組む金融機関に対して、日銀が年0.1%の低利で資金を供給するもの)の第一回目が今月実施され、4625億円の資金供給が行われた。
今回対象となったのは、47金融機関の投融資1342件4788億円。1件当り平均金額は3.6億円、平均期間は8.2年であった。対象投融資の分野別状況は図表6のとおり。環境・エネルギー分野(1124億円)が最大で、以下、日銀例示の18分野以外(975億円)、社会インフラ(554億円)と続いている。今後も3カ月に1回の頻度で新規資金供給が行われる予定であり、銀行貸出残高を押し上げることになるが、これだけでは力不足(この一年で銀行貸出は▲8兆円)。日銀が期待するように、この制度が「呼び水」となれるのかどうかがカギとなる。
(2010年09月08日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/08 | 原油安に拍車をかけるOPECプラス~トランプ関税の行方に影響も | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年05月09日
グローバル株式市場動向(2025年4月)-トランプ関税への各国の対応が注目される -
2025年05月09日
英国金融政策(5月MPC公表)-トランプ関税が利下げを後押し -
2025年05月09日
官民連携「EVカーシェア」の現状-GXと地方創生の交差点で進むモビリティ変革の芽 -
2025年05月09日
ESGからサステナビリティへ~ESGは目的達成のための手段である~ -
2025年05月09日
減速に拍車がかかる米労働市場-足元は堅調維持もトランプ政権の高関税政策が継続する場合に大幅な減速は不可避
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【8月マネー統計:投資信託の伸びが失速し始める】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
8月マネー統計:投資信託の伸びが失速し始めるのレポート Topへ