- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- ジェロントロジー(高齢社会総合研究) >
- 高齢者世帯の家計・資産 >
- 老後生活資金としての公的年金と私的年金-国際比較で見た高齢者世帯の実態
老後生活資金としての公的年金と私的年金-国際比較で見た高齢者世帯の実態

石川 達哉
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■目次
1――はじめに
2――マクロ的に見た年金給付と積立金の状況
3――世帯レベルで見た老後生活資金
4――日本の家計における老後生活資金としての私的年金の潮流
■introduction
すべての国民に対して老後の生活資金を確保することは、国を問わず最も重要な政策課題のひとつであろう。日本の公的年金制度は5年に1度行われる「財政検証」が2009年度に実施されたばかりであるが、6月29日に政府の「新年金制度に関する検討会」が公的年金の一元化を提言するなど、抜本的な制度改革への機運が高まっている。公的年金制度は完全積立方式で運営されない限り、引退した世代に対する給付は主として現役世代の負担によって支えられることになる。その仕組みが持続可能なものであるためには、給付も負担も適切な水準に設定されることが不可欠である。この機会に、老後生活資金のうち公的年金でカバーすべき割合や公的年金が最低限確保すべき金額を社会として問い直すことが重要であろう。
公的年金の適切な給付水準を社会として見極めることは、裏返して言えば、公的年金のみに拠るのではなく、企業年金・個人年金や預貯金など現役期に蓄積した金融資産の取り崩しで対応する部分をどれくらいの割合にすべきか、私的な準備に求める水準を社会として探ることでもある。そのためには、引退した高齢者世帯が現役世代と比べて十分な生活水準にあるのかどうか、老後生活資金のうち公的年金で賄われている割合がどれくらいなのか、私的年金や他の金融資産の取り崩しによって賄われている割合はどれくらいなのか、まず、現実を正しく認識することが必要である。
しかし、現実の高齢者世帯が私的年金や他の金融資産の取り崩しによって賄っている金額についての情報は、日本のみならず他の先進国においても、ほとんど提供されていない。当レポートの目的は、こうした情報を提供することにある。具体的には、各国の国民経済計算統計や収入と支出に関する世帯調査統計を組み替えたり、概念調整したりすることにより、老後生活資金としての公的年金と私的年金について国際比較を行い、日本の状況を客観的に評価する。また、日本の高齢者世帯の私的年金の受取額や現役世代の拠出額が過去からどのように推移してきたのか、潮流の変化について分析する。
(2010年07月07日「ジェロントロジーレポート」)
このレポートの関連カテゴリ
石川 達哉
石川 達哉のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2018/12/28 | 同床異夢の臨時財政対策債-償還費を本当に負担するのは国か、地方か? | 石川 達哉 | 研究員の眼 |
2018/07/13 | 「地方財源不足額」は本当に解消されているのか?―先送りされ続ける臨時財政対策債の償還財源確保 | 石川 達哉 | 基礎研レポート |
2017/08/31 | 再び問われる交付税特会の行方-地方財政の健全性は高まったのか? | 石川 達哉 | 基礎研レポート |
2017/07/03 | 増大する地方公共団体の基金残高 その2-実は拡大している積立不足!? | 石川 達哉 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年03月18日
今週のレポート・コラムまとめ【3/11-3/17発行分】 -
2025年03月17日
「共に民主党」の李在明代表の大統領の夢はどうなるのか?-尹錫悦大統領の釈放で政局は不透明な状況へと突入- -
2025年03月17日
あなたはイカサマサイコロを見抜けますか? -
2025年03月17日
欧州経済見通し-緩慢な回復、取り巻く不確実性は大きい -
2025年03月17日
アンケート調査から読み解く物流施設利用の現状と方向性(2)~倉庫管理システムと冷蔵・冷凍機能を拡充。地震対策・電源確保と自動化が一層進む。従業員の健康配慮を重視。
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【老後生活資金としての公的年金と私的年金-国際比較で見た高齢者世帯の実態】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
老後生活資金としての公的年金と私的年金-国際比較で見た高齢者世帯の実態のレポート Topへ