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■目次
1--------個人投資家の国債保有占率
2--------今後の個人投資家の動向
■introduction
個人投資家の国債保有占率が増加してきている。2009年9月末時点の個人投資家の国債保有占率は5.2%と、個人向け国債が発行されるようになった2003年3月末時点(2.4%)の2倍以上になっている。これは、個人投資家が国債を購入しやすくなったためであろう。
個人向け国債とは、購入対象者が個人に限定された国債である。それまでの国債は、金融機関を通して発行されてきた。個人が購入するには、金融機関が引受けた国債を間接的に購入するしかなく、販売期間が短かったり、すぐに売り切れたりして、個人投資家の間にはなかなか拡がりをもたなかった。個人向け国債は、金融機関を通すものの、個人からの購入申込を受けてから財務省が国債を発行する仕組であり、売り切れる心配がなく、販売期間も長くなり、個人投資家は購入しやすくなった。金融機関にとっても売れ残りを引き受けるリスクがなくなり、販売しやすくなった。
また、個人向け国債は、金利が変動しても元本金額が変動しない仕組となっており、これまでの国債のように元本割れするリスクがない、一定期間経過後はいつでも換金が可能である、10年変動利付債については、金利が現在の低金利水準に固定されず、将来の金利上昇に合わせて金利が上昇していく仕組みとなっている、など、個人投資家のニーズに適合するものとなった。財務省もTVコマーシャルを活用するなど、積極的に宣伝し、これまで国債を購入していなかった層にも周知されるようになった。
こうした販売戦略が効果を上げ、2003年以降、個人投資家の国債保有比率は急激に増加してきた。ところが、2007年9月以降、個人投資家の国債保有比率は頭打ちとなっている。これは、個人投資家の国債購入意向が、金利水準により影響を大きく受けているためと考えられる。
(2010年03月26日「基礎研マンスリー」)
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千田 英明
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