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■要旨
1.景気は2008年度末を底に回復を続けているが、一昨年秋のリーマン・ショック以降の落ち込みがあまりに急激であったため、経済活動の水準は依然として低いものにとどまっている。
2.景気回復の初期段階、特に景気が急速に落ち込んだ直後においては、経済活動の水準が低いことはある意味では当然のことである。経済活動が元の水準に向けてどの程度の勢いで回復しているかを把握することが、景気動向を見る上で重要な視点と言えよう。
3.鉱工業生産指数は2009年3月からの10ヵ月で30%近く上昇し、すでに直前の落ち込み幅の半分程度を取り戻している。今回の生産の回復ペースは1990年以降では細則となっている。
4.一方、実質GDPは3四半期連続のプラス成長となったが、それまでの1年間で落ち込んだうちの4分の1程度を取り戻したにすぎない。国内需要の回復の遅れを主因として、回復ペースは緩やかなものにとどまっている。
5.当面は輸出主導の景気回復が続くことが見込まれるため、鉱工業生産の伸びが実質GDPの伸びを上回る状態が続くことが予想される。実質GDPが回復の遅れを取り戻すためには、輸出の増加が個人消費、設備投資を中心とした国内需要の回復につながることが不可欠と言えよう。
(2010年03月03日「ニッセイ景況アンケート」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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