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国内の債券マーケットを一定の基準で抽出した代表的な指標が、NOMURA-BPI総合である。NOMURA-BPI総合の主な組入基準は、「国内発行の公募固定利付円貨債券」「残存額面10億円以上」「残存期間1年以上」「A格相当以上の格付」等である。その指標を構成する、債券の残高は、指標の算出を開始した1983年12月より、ほぼ一方的に増加してきている(図表-1)。1993年ごろより、残高が増加した要因として、特に国債増発の影響が大きい。1993年ごろまではほぼ等しかった国債と国債以外の債券の比率は、2009年には3倍ぐらいにまで拡大している。
残存年数の推移も特徴的である(図表-2)。NOMURA-BPI総合の残存年数は、2003年ごろまで5~6年の間で推移していたが、その後、年金等の機関投資家ニーズを踏まえる形で超長期(20年・30年)国債が大量発行されるようになると、国債の残存年数は長期化し、それにつられる形でNOMURA-BPI総合の残存年数も長期化している。債券は残存年数が長くなるにつれてリスクが大きくなるため、たとえ指数と同様の成果獲得を狙うインデックス運用を行う場合でも、リスクは増大しつつあり注意が必要である。
このように、国内の債券マーケットは国債の発行政策により、大きく変化してきた。国債は今後も大量発行される見込みであるため、債券マーケットにおける国債の影響は、益々大きくなるであろう。
(2009年12月25日「基礎研マンスリー」)
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