- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 鉱工業生産09年10月~生産の回復ペースは90年以降では最速
■見出し
・8ヵ月連続の上昇
・10-12月期は3四半期連続の増産も、在庫調整一巡から伸び率は鈍化
・生産の回復ペースは90年以降では最速
■introduction
経済産業省が11月30日に公表した鉱工業指数によると、10月の鉱工業生産指数は前月比0.5%と8ヵ月連続で上昇したが、事前の市場予想(ロイター集計:前月比2.5%、当社予想は同2.6%)は大きく下回り、3月以降の上昇局面では最も低い伸びにとどまった。出荷指数は前月比1.3%と8ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比▲1.5%と2ヵ月連続の低下となった。
10月の生産を業種別に見ると、回復が遅れていた一般機械が設備投資の持ち直しを反映し前月比5.7%の高い伸びとなったが、在庫調整の進展から高い伸びが続いていた電子部品・デバイスが前月比▲1.0%の低下となったほか、大幅増産が続いていた輸送機械は前月比0.0%の横ばいにとどまった。速報段階で公表される16業種中、9業種が前月比で上昇、6業種が低下(1業種が横ばい)となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は7-9月期に前期比5.3%と8四半期ぶりの増加となった後、10月は前月比▲1.3%となった。GDP統計の設備投資は7-9月期には前期比1.6%と6四半期ぶりの増加となったが、設備稼働率が引き続き低水準にとどまっていることなどから、当面は一進一退の動きが続く可能性が高い。
一方、消費財出荷指数は7-9月期の前期比7.4%の後、10月は前月比1.8%となった。特に、好調な自動車販売を反映し、耐久消費財が7-9月期に前期比15.1%となった後、10月も前月比2.6%と高い伸びを維持している。
在庫循環図を確認すると、08 年10-12月期から09 年7-9月期までは「在庫調整局面」に位置していたが、10月単月では「意図せざる在庫減少局面」へと移行した。出荷の減少幅が7-9 月期の前年比▲19.3%から10月には同▲13.0%へと縮小する一方、在庫の減少幅が7-9月期(末)の前年比▲12.1%から10月には同▲14.4%へと拡大し、在庫の減少幅が出荷の減少幅を上回った。在庫調整は最終局面を迎えつつある。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月19日
しぶといドル高圧力、一体いつまで続くのか?~マーケット・カルテ5月号 -
2024年04月19日
年金将来見通しの経済前提は、内閣府3シナリオにゼロ成長を追加-2024年夏に公表される将来見通しへの影響 -
2024年04月19日
パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割 -
2024年04月19日
消費者物価(全国24年3月)-コアCPIは24年度半ばまで2%台後半の伸びが続く見通し -
2024年04月19日
ふるさと納税のデフォルト使途-ふるさと納税の使途は誰が選択しているのか?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【鉱工業生産09年10月~生産の回復ペースは90年以降では最速】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
鉱工業生産09年10月~生産の回復ペースは90年以降では最速のレポート Topへ