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今後、老年人口のうち、特に75歳以上の後期高齢者が増えることが予測されているが、増加にはどのような特徴があるのだろうか。ここでは、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の市区町村別将来推計人口」の推計データを、高齢化のスピードという視点からみてみよう。
2035年の75歳以上人口について、2005年の同人口を100として算出した全国の市区町村(1,805団体)の指数を地域ブロック別にとりまとめたデータをみると、指数200以上、つまり75歳以上人口が2005年の2倍以上となる市区町村の割合は、南関東(首都圏の埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)ブロックが抜きん出て高く63.7%を占める。中でも指数250以上の市区町村は42.5%と顕著に高い。
また、南関東のうち東京都について、2035年の75歳以上人口の指数の高い市区を具体的にみると、多摩地域の都心外縁部から25~35km近辺の市に集中していることがわかる。これらの多くは1960年代半ば以降に開発されたニュータウンや大規模団地が立地する地域であり、一時期に同年齢層が転入したことが、集中的な高齢化の要因の一つであると考えられる。
このようにデータをみると、今後の高齢化は、首都圏郊外を中心に、後期高齢者が高スピードかつ地域集中で増えることが特徴だと言えよう。
こうした状況下で、どのように住み慣れた場所で安心して暮らし続けていける地域づくり“Aging in Place”を進めていくのか。まずは既存の公・民(企業・住民・NPO等)の役割分担や、施策分野の枠を超えたしくみづくりの検討は、今からでも早すぎることはない。
(2009年11月25日「基礎研マンスリー」)
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