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- 雇用統計09年9月~最悪期を脱しつつある雇用情勢
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■見出し
・失業率は0.2ポイント低下の5.3%
・労働需給の悪化には歯止め
■introduction
総務省が10月30日に公表した労働力調査によると、9月の完全失業率は前月から0.2ポイント低下し5.3%となった(ロイター集計事前予想:5.6%、当社予想は5.7%)。失業率は7月には5.7%と過去最悪を記録したが、その後の2ヵ月で0.4ポイントの大幅改善となった。
雇用者数は前年比では▲1.1%(8月:同▲1.3%)と引き続き大幅な減少となったが、前月比では3ヵ月連続で増加し、その間の増加幅(季節調整値)は53万人となった。
失業者数は363万人、前年に比べ92万人の増加となり、8月の89万人増から増加幅が若干拡大したが、季節調整値では352万人となり、前月よりも10万人減少した(ピークは7月の376万人)。
失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ68万人の増加(うち勤め都合が51万人増)、自己都合による者が6万人の増加であった。
失業率の低下は、就業をあきらめ労働市場から退出する人が増えることによって生じる場合があるが、8月、9月と雇用者、就業者(ともに季節調整値)が前月よりも増加する中で失業率が低下している。このことは前向きの評価ができるだろう。労働力調査は振れの大きい統計であることには留意が必要だが、今春以降の生産の持ち直しを受けて、雇用情勢は最悪期を脱しつつあると判断される。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業の雇用者数は前年に比べ▲73万人の大幅減少となったが、8月の同▲106万人減に比べると減少幅は大きく縮小した。派遣社員が含まれる職業紹介・労働者派遣業の雇用者数は前年に比べ▲16万人減と11ヵ月連続の減少となった(8月は▲19万人減)。一方、医療・福祉は前年に比べ39万人の増加(8月:42万人増)となり、引き続き雇用の下支え役となっている。
従業員規模別には、前月に続き全ての規模で前年よりも雇用者数が減少した。
(2009年10月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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