2009年09月30日

J-REITの運用報酬は投資主利益と一致しているか ~「投資家に信頼される不動産投資市場確立フォーラム」の提言を~

金融研究部 不動産調査室長 岩佐 浩人

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■見出し

1. 「投資家に信頼される不動産投資市場確立フォーラム」による提言
2. J-REITの運用報酬の現状
3. 投資主利益と一致した報酬体系とは

■introduction

昨秋よりJ-REIT(不動産投資信託)市場の信頼向上・活性化に向けて議論を重ねてきた国土交通省主催の「投資家に信頼される不動産投資市場確立フォーラム」は、09年7月、「Jリートを中心とした我が国不動産投資市場の活性化に向けて」と題する最終報告書を発表した。報告書では、J-REIT再編の必要性やJ-REITのガバナンス強化、ファイナンス手法の多様化、個人投資家・年金等による不動産投資の促進など、今後の市場発展に向けて指針となる多くの提言が盛り込まれている。
そのうちJ-REITのガバナンス強化については、資産運用会社の利益相反行為や内部管理態勢の不備による過去の行政処分事例を示した上で、世界のREIT制度(外部運用型、内部運用型、ステイプルド証券制度)との比較に加えて、投資家の信頼をいち早く高めていくにはJ-REIT各社が信頼を高める取り組みを自発的に行っていくことが重要だと指摘、その1つとして、資産運用会社と投資主との利害が一致するよう運用報酬の一層の工夫を提言している。そこで、以下では、投資主利益と一致した運用報酬のあり方について検討したい。

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金融研究部   不動産調査室長

岩佐 浩人 (いわさ ひろと)

研究・専門分野
不動産市場・投資分析

経歴
  • 【職歴】
     1993年 日本生命保険相互会社入社
     2005年 ニッセイ基礎研究所
     2019年4月より現職

    【加入団体等】
     ・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
     ・日本証券アナリスト協会検定会員

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