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■要 旨
1.景気はすでに回復局面に入っているが、現時点では裾野の広がりに欠けるものとなっている。たとえば、鉱工業生産指数、生産財出荷指数などの生産関連指標は上昇傾向が鮮明となっている一方、有効求人倍率、投資財出荷指数(除く輸送機械)といった雇用、設備投資関連指標は引き続き悪化している。
2.製造業の雇用、設備投資は生産水準の大幅な低下による影響を強く受けており、生産がある程度の水準まで戻らなければ回復は見込めない。
3.製造業の雇用が回復に転じるためには所定外労働時間が15時間(1ヵ月当たり)を超えることがひとつの目安で、そのためには鉱工業生産が足もとの水準から33%上昇する必要がある。また、製造業の設備稼働率は50%台まで低下しているが、設備投資が回復に転じるためには、稼働率が75%程度まで回復することが条件で、そのためには鉱工業生産が22%上昇する必要がある。
4.7-9月期以降、鉱工業生産が前期比で10%程度の高い伸びを続けたとしても、雇用、設備投資の回復にはそれぞれ3~4四半期、2~3四半期程度かかることになる。
5.民需主導の自律回復には時間がかかるため、経済対策の効果が剥落する2010年初め頃に日本経済は正念場を迎える可能性が高いだろう。
(2009年09月25日「ニッセイ景況アンケート」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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