- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替 >
- 高水準続く「恐怖の指数」
昨年のリーマン・ショック以降、市場の注目を浴びている「恐怖の指数」がある。シカゴオプション取引所(CBOE)が発表するVIX(ボラティリティ・インデクス)、すなわちS&P500株価指数のオプション価格から計算される、今後30日の株価変動率の予測である。
VIXの計算にはコールオプション(株価上昇時に価格が上がる)、プットオプション(株価下落時に価格が上がる)の両方が使われるため、上方であれ下方であれ、予測される株価変動率が拡大すればVIXは上昇する。それにもかかわらず、「恐怖の指数」と呼ばれるのは、S&P500オプションの6割近くが株価の下落をヘッジする目的のプットオプション取引だからである。
実際、株価下落により投資家心理が弱気になると、VIXは上昇する。下図のようにVIXの平均値は20前後であるものの、1987年10月のブラックマンデー時には100を超えた。1998年のロシア危機、2000年のネットバブル崩壊以降も高水準であった。そして今回のリーマン・ショックの際には70を超えた。
8月末のVIXは25前後とまだ過去の平均より高く、投資家が今度の市場に弱気であることを示唆する。しかし、下図のように現実には、過去26週のS&P500の騰落率が低いほどVIXが高い負の相関がある。つまり、VIXは「恐怖の指数」というより、投資家が過去の下落によって蒙った「苦痛の指数」に近いのである。
このレポートの関連カテゴリ
臼杵 政治
研究・専門分野
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年03月01日
世界各国の金融政策・市場動向(2021年2月)-株価は中旬までは上昇したが、下旬に調整 -
2021年03月01日
米個人所得・消費支出(21年1月)-追加経済対策の効果で個人所得は前月比で2桁の増加 -
2021年02月26日
2020年のマンション市場と今後の動向-コロナ禍で高まる需要、今マンションは買うべきなのか -
2021年02月26日
コロナ禍における労働市場の動向-失業率の上昇が限定的にとどまる理由 -
2021年02月26日
フィボナッチ数列について(その2)-フィボナッチ数列はどこで使用されたり、どんな場面に現れてくるのか(自然界)-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2021年01月21日
News Release
-
2020年10月15日
News Release
-
2020年07月09日
News Release
【高水準続く「恐怖の指数」】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
高水準続く「恐怖の指数」のレポート Topへ