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米国の金融規制改革法の影響~資産運用への示唆
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■要 旨
1. サブプライム問題、特にリーマンショック以降の金融危機に対応し、 米国では2010年7月に金融規制改革法(ドッド&フランク・ウォールストリート改革法)が成立した。
2. サブプライム問題の背景には、(1)金融派生商品(デリバティブ)や証券化商品に見られる金融技術革新に対するリスク管理の不十分さ、(2)金融会社にみられた、リスクへの選好を高めるような報酬(インセンティブ)構造、(3)米国経済における金融業の重要性を背景にした政治的な圧力、などがあった。
3. 16章、2300頁にも及ぶ今回の金融規制改革法の眼目は、これらの要因に対処することで金融システム危機の再発を防ぐことにある。例えば、(1)「大きすぎて潰せない(too big to fail)」事態の再発を防ぐために大規模な金融機関にはより厳格な規制を課す、(2)銀行及び銀行持ち株会社による自己勘定取引やヘッジファンド、プライベートエクイティ投資を制限する、などの規定が導入された。
4. ただし、法律の実施細目は今後制定される規則(Rule)に委ねられており、金融業が米国の主要産業であり、その回復が雇用情勢にも影響を与えることを考えると、金融規制改革法による規制がどの程度の実効性を持つかには予断を許さない面がある。連邦準備制度(FRB)の流動性供給政策が引き金となって、米国内外において中規模程度の「バブル」が再発することもあるだろう。
5. 金融規制の強化はリーマンショック以降の市場のボラティリティ増大とあいまって、金融機関・投資家のリスクをとる力(リスクアペタイト)を低下させ、投資家の要求するリスクプレミアムを高める方向に働く。それは数年の単位で見ると、資産価格を一層、不安定にする。しかし、1929年の株価暴落後の米国で見られたように、より高いリスクプレミアムが資産価格に反映されてしまえば、10年以上の長期投資家にとってはさらに高いリターン(リスクプレミアム)を獲得する機会を提供することになると捉えられているようである。
(2011年03月02日「ニッセイ景況アンケート」)
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