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- 米7月ISM指数:製造業が上昇の半面、非製造業が下落し明暗を分ける
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■見出し
・製造業指数は48.9に上昇、非製造業指数(46.4)を上回る水準に
・製造業各指数では、7指数が50以上を回復:指数別の動向
・7月非製造業各指数は全般的に低下
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、7月製造業指数(PMI)が48.9と前月(44.8)から上昇、市場予想値(46.5)も上回った。これで、1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準となった昨年12月(32.9)をボトムに、7ヵ月連続の上昇となった。ボトムからの上昇は16.0ポイントとなるが、依然、製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50については18ヵ月連続で下回る水準に留まった。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、7月PMIは実質GDP年率2.4%に対応するとしている。このため、PMIは製造業の縮小が続く中、5月以降3ヵ月連続で実質GDPのプラス成長を示したこととなる。
一方、7月の非製造業指数(NMI:注)は46.4と前月(47.0)から反落、こちらは市場予想(48.0)を下回った。NMIは9月金融危機後37.4(11月)まで低下、その後持ち直していたが、前月を下回ったのは5ヵ月ぶり、50割れは今回を含め10ヵ月連続となった。
ISM発表の両指数は、昨年9月金融危機以降に急落したあと、落ち着きを取り戻し、全般的に持ち直しの傾向を見せていたが、7月指数では製造業指数の改善が目立った。特に、製造業指数の主要な構成指数である新規受注・生産指数が、ともに55を上回る水準へと回復を見せ、低迷していた雇用指数も45.6まで回復した。
半面、7月非製造業指数は予想外の下落となった。非製造業では、NMI以外の10指数のうち上昇したのは2指数に留まり、製造業のPMI以外の10指数で9指数が上昇したのとは対照的な動きとなった。また、50以上の指数を見ると、非製造業では2指数に留まり、製造業の7指数に対し見劣りする状況となっている。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。)
(2009年08月06日「経済・金融フラッシュ」)
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