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- 貿易統計09年4月~輸出は下げ止まりから持ち直しへ
■見出し
・輸出の減少幅が2ヵ月連続で縮小
・IT関連輸出の持ち直しが鮮明に
■introduction
財務省が5月27日に公表した貿易統計によると、4月の貿易収支は690億円の黒字となり、事前の市場予想(ロイター集計:▲532億円、当社予想は▲1,337億円)を上回った。輸出入ともに引き続き大幅な減少となったが、輸出の減少幅が前月の前年比▲45.5%から同▲39.1%へと大きく縮小したため、原数値では3ヵ月連続の黒字となった。季節調整済の貿易収支は▲521億円と9ヵ月連続の赤字となったが、09年初め頃までの水準と比較すると赤字幅は小さくなっている。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲35.8%(3月:同▲41.1%)、輸出価格が前年比▲5.1%(3月:同▲7.6%)であった。
輸入は、前年比▲35.8%(3月:同▲36.6%)となった。輸入数量が前年比▲20.3%(3月:前年比▲20.4%)、輸入価格が前年比▲19.5%(3月:同▲20.4%)であった。
輸出数量指数は前年比で見れば依然として大幅なマイナスだが、季節調整値(当研究所による試算値)では、3月に前月比3.4%と8ヵ月ぶりにプラスに転じた後、4月は同3.9%と上昇ペースが加速した。4月の輸出数量指数の水準(季節調整値)は1-3月期よりも5.8%高い水準となった。
地域別には、米国向けは前年比▲49.4%(3月:同▲49.5%)と大幅な落ち込みが続いたが、EU向けが前年比▲42.8%(3月:同▲49.6%)、アジア向けが前年比▲28.7%(3月:同▲33.8%)と減少幅が縮小した。季節調整値では、米国向けが前月比1.0%、EU向けが同9.0%、アジア向けが同13.1%となり、アジア向けの回復がより鮮明となっている。米国向けは依然として低迷しているものの、中国を中心としたアジア向け輸出の回復を主因として、輸出は下げ止まりから持ち直しに向かっている
1-3月期のGDP統計では、輸出が前期比▲26.0%の大幅減少、外需寄与度が前期比▲1.4%となったが、4-6月期は輸出が3四半期ぶりに増加に転じる一方、内需低迷に伴う輸入の減少が続くことが見込まれるため、外需寄与度は4四半期ぶりにプラスに転じる可能性が高い。
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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