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- 米ISM指数は、製造業続落の半面、非製造業は持ち直しの動き
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■見出し
・製造業指数は32.4と続落するも、非製造業指数は40.6に上昇
・製造業各指数では、主要指数が急低下:各指数の内訳
・非製造業各指数は、前月の急落後持ち直しの動き
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、12月製造業指数(PMI)が32.4と低下、急速な落ち込みを見せた前月(36.2)や市場予想値(35.4)を下回り、6ヵ月連続の低下、製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を5ヵ月連続で下回った。12月水準は1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準であり、景気の冷え込みが、製造業ではさらに強まっていることを示した。発表元のISMでは、PMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.1であり、12月PMI(32.4)は、実質GDPの年率▲2.7%に対応するとしている。
一方、12月の非製造業指数(NMI:注)は40.6と11月(37.3)から3.3ポイントの上昇、低下を見込んでいた市場予想(36.5)を上回ったが、3ヵ月連続で50を割り込んだ。また、昨年まで非製造業の景況感を示す指数とされていた事業活動指数は39.6と前月(33.0)から6.6ポイント上昇、これまでの最低値だったテロ事件直後の2001年10月(40.5)を依然下回るものの、先行きの不透明感を強めた先月から見ると、やや落ち着きを取り戻しつつある状況が窺われる。
以上、12月ISM指数は、“フリーフォール”の状態を呈した11月とは異なり、まちまちの動きとなったが、製造業の低下はなお収まっていない。全般的に見ても、指数の水準は低く、金融危機後の企業センチメントの冷え込みに加え、先行きの景気についても不透明感が強い状況と言えよう。また、製造業価格指数の急低下もデフレ懸念を強めた。価格低下は需要の弱さの裏返しと言え、企業はそれに応じて供給を絞り、設備投資の抑制や雇用減等に繋がる恐れがあるため、デフレスパイラルへの警戒が続いている。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
(2009年01月07日「経済・金融フラッシュ」)
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