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- 貿易統計08年11月~輸出の記録的な落ち込みから貿易赤字が継続
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■見出し
・貿易収支(季節調整値)は4ヵ月連続の赤字
・米国、EU、アジア向け輸出がいずれも前年比で二桁減
■introduction
財務省が12月22日に公表した貿易統計によると、11月の貿易収支は▲2,234億円の赤字となり、ほぼ事前の市場予想(ロイター集計:▲2,575億円、当社予想は1,430億円)通りの結果となった。輸出入ともに減少したが、輸出の減少幅が記録的な大きさとなったことから、2ヵ月連続で貿易赤字となった。季節調整済の貿易収支は▲3,676億円と4ヵ月連続の赤字となった。
円高の進展に伴い輸出価格が前年比▲6.1%(10月:同▲1.5%)となったことに加え、海外経済の急速な悪化を反映し、輸出数量が前年比▲21.9%(10月:同▲6.4%)とマイナス幅を大きく拡大させたため、輸出金額は前年比▲26.7%(10月:同▲7.8%)の大幅減少となった。輸出金額の前年比が20%を超えるマイナスとなったのは、1986年8月(前年比▲20.9%)以来のことである。
原油価格の急落と円高の進展に伴い、輸入価格が前年比▲4.1%(10月:同9.8%)と04年4月以来のマイナスとなる中、内需低迷を反映し輸入数量が前年比▲10.8%(10月:同▲2.1%)と二桁の減少となったため、輸入金額は前年比▲14.4%(10月:同7.4%)の大幅減少となった。
原油価格急落に伴う輸入の減少は貿易収支の改善要因だが、海外経済の悪化を主因とした輸出の急速な落ち込みの影響がそれを大きく上回っている。当面は貿易赤字が定着する可能性が出てきた。
なお、11月の貿易統計では、輸出入ともに大幅に減少したが、今年の11月は休日(土日・祝日)の数が昨年よりも3日多く、通関日数が少なかったことも影響している可能性があることには留意する必要がある。
(2008年12月24日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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