- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 野田審議委員講演(9/25):米国金融危機問題、資本調達の困難性が次の課題
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・講演:2008年、2009年と減速し、2010年に漸く成長率が高まる
・会見:米国金融危機問題、資本調達の困難性が次の課題
■introduction
野田審議委員が9月25日に釧路市内で講演を行った。
野田審議委員は「国内景気のリスクは現在視野に入っている短期的なタームでみれば、上振れリスクよりも下振れリスクの方がクリアに見えている」、「08年より09年の方が減速感が強まり、2010年からの回復になる」との見通しを示した。
米政府の金融機関の不良債権買取スキームについて、市場の安定化のために機能していくことを期待するとしながらも以下のような問題点も指摘。
・ 不良債権の買取価格をどうするのか、価格の低い方で落札される傾向があるようだが、それで本当にいいのか
・ レベル3と呼ばれる市場価格自体が存在しない金融商品が金融機関のバランスシートが少なからず残っている状況で、そこには触らないのか
さらに、「米欧金融機関の市場資本の調達困難性や調達コストの際立った高まりはなんら変わっていない」との見方を示し、金融機関への資本の補填が次の課題であるとの認識を示した。
日銀が24日に初めて実施したドル供給オペが札割れとなった背景について「日銀の決定から実施までの期間を踏まえると市場関係者の準備が整わなかった可能性や、9月末越えドル資金の調達が早めに進んでいた可能性もある」との見解を示し、「次回のオペは年末越え資金調達にかかるため、今回よりもニーズは強いのではないか」と述べた。
今回の野田審議委員の発言から、(1)10月末の展望レポート(今回08年度-10年度の3カ年度が示される)で08-09年度の成長率の予想数値が(7月会合時点で下方修正しているが、さらに)下方修正される、ただし、回復シナリオは10年度を示す中で維持される見込み、(2)市場が読む「金融機関への公的資本注入が次の金融問題のステージ」との見方について、日銀内でも同様の見方である、ことなどが裏づけされた。
講演の要約は以下のとおり。
(2008年09月25日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | トランプ1.0のトラウマ-不確実性の高まりが世界の活動を止める | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
2025/02/12 | 供給制約をどう乗り切るか-設備投資の増勢を維持するために | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
2025/02/07 | 日米貿易交渉の課題-第一次トランプ政権時代の教訓 | 矢嶋 康次 | 基礎研マンスリー |
2024/12/03 | 日米貿易交渉の課題-第一次トランプ政権時代の教訓 | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年03月26日
インバウンド市場の現状と展望~コスパ重視の旅行トレンドを背景に高まる日本の観光競争力 -
2025年03月25日
ますます拡大する日本の死亡保障不足-「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」より- -
2025年03月25日
米国で広がる“出社義務化”の動きと日本企業の針路~人的資本経営の視点から~ -
2025年03月25日
産業クラスターを通じた脱炭素化-クラスターは温室効果ガス排出削減の潜在力を有している -
2025年03月25日
「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2025年)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【野田審議委員講演(9/25):米国金融危機問題、資本調達の困難性が次の課題】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
野田審議委員講演(9/25):米国金融危機問題、資本調達の困難性が次の課題のレポート Topへ