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- 雇用統計08年4月~失業者数が2年5ヶ月ぶりに増加
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■見出し
・雇用者数は3ヵ月連続で減少
・非正規雇用比率は5四半期連続で上昇
■introduction
総務省が5月30日に公表した労働力調査によると、4月の完全失業率は前月から0.2ポイント悪化し4.0%となった(ロイター事前予想:3.9%、当社予想は3.8%)。
雇用者数が前年比▲0.1%(3月:同▲0.1%)と3ヵ月連続の減少となり、自営業主・家族従業者を含めた就業者数も前年比▲0.2%(2月:同▲0.2%)と3ヵ月連続の減少となった。
失業者数は前年に比べ7万人の増加となり、2年5ヵ月ぶりに前年の水準を上回った。失業者の内訳を求職理由別に見ると、自己都合が95万人と前年よりも2万人の減少となっているのに対し、非自発的な離職による者が96万人と前年よりも6万人の増加となった。非自発的離職には勤め先の倒産、人員整理によるものが含まれており、失業者数が増えるとともに失業の中身も深刻なものとなりつつあることを示唆している。
雇用者数の内訳を従業員規模別に見ると、29人以下の中小企業は前年差▲41万人の減少となり、3月の同▲17万人から減少幅が大きく拡大した。原材料高に伴う収益環境の悪化などから、中小企業の雇用情勢はより厳しさを増している。
産業別には、製造業が5ヵ月ぶりに増加に転じたが、建設業が3月の前年差▲16万人から同▲45万人へと減少幅が急拡大した。建築基準法改正の影響で昨年夏場以降、住宅着工が急速に落ち込んだことに加え、4月は暫定税率失効に伴い地方の公共工事の執行が保留されたことも建設業の雇用悪化の一因になっている可能性がある。
(2008年05月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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