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- イギリスの住宅価格の調整と景気下振れリスク
2008年04月18日
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- イングランド銀行(BOE)は、4月の金融政策委員会(MPC)で昨年12月、今年2月に続く3度目の利下げを決めた。MPCが利下げの理由とした金融混乱の影響、景気減速の兆候は、融資スタンスや住宅価格、住宅投資、雇用、家計の購買意欲等に表れつつある。
- イギリスは、住宅投資からの調整圧力は小さいものの、割高感の指摘される住宅価格下落の逆資産効果による個人消費への影響は雇用と並んで大きくなりやすい。
- 反面、(1)住宅実需の増大と供給面の制約、(2)住宅価格を重視した金融政策運営を行ってきたため金融緩和の度合い・期間が限定されてたこと、(3)住宅ローン市場の自由度、新種のローン等の普及度合いが米国や北欧よりも限定されていたことは、大きな値崩れのリスクは小さいことを示唆する。
- 利下げ効果が浸透すれば住宅価格の調整スピードは鈍化すると見られるが、足もとでは金融市場の混乱、金融機関の行動が、金融政策の波及を妨げている。一歩踏み込んだ金融正常化への取り組みが必要であり、現在検討中の対策の内容が注目されよう。
(2008年04月18日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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