2008年04月11日

1-3月期はプラス成長でも景気は後退局面入りか

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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  1. 鉱工業生産は2008年に入り急速に落ち込んでおり、1-3月期は前期比で減少となることがほぼ確実である。一方、1-3月期の実質GDPは3四半期連続でプラス成長となる可能性が高く、両者の動きは大きく乖離している。
  2. 鉱工業生産は景気循環と概ね一致した動きを示すのに対し、日本のGDPは景気との連動性が高いとは言えず、景気後退局面でプラス成長となることも少なくない。一方、米国では景気後退局面ではマイナス成長となることが多いため、GDPの動きで景気の転換点を判断しやすい。
  3. 米国経済はすでに景気後退局面に入っている可能性が高いが、1-3月期がマイナス成長となれば、こうした見方を裏付けるものとして捉えられるだろう。
  4. 1-3月期の日本のGDPはプラス成長となる可能性が高いが、足もとの景気局面を判断する際の決め手とはならない。当研究所では、景気は2007年終わり頃をピークにすでに後退局面入りしていると判断しているが、4-6月期の鉱工業生産の方向性がはっきりする今後数ヶ月のうちに、景気回復基調が維持されているか、すでに後退局面入りしているかの結論が出ることになろう。
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(2008年04月11日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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