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- 明確になったユーロ圏経済の減速~3月利下げ転換の可能性を探る~
2008年02月22日
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- 欧州中央銀行(ECB)は、2月に物価の安定を最重視する基本スタンスを維持しながら、状況の変化に機動的に対応できるよう政策転換の余地を確保した。
- 景気の減速はハード・データでも裏付けられるようになっている。ECBは3月理事会当日公表の経済見通しを下方修正する見込みだが、物価見通しは小幅修正に留まろう。
- 2001年5月も、原油と食品高でインフレ率は目標から乖離していたが、ITバブル崩壊に伴う輸出、生産の減速で米英に追随する形での利下げ転換を余儀なくされた。
- 当時に比べると、利下げがユーロ安を招くリスクは大きな問題とはならないが、生産の急低下が確認された2001年と異なり、新興国の需要は旺盛で、国際商品市況への圧力は根強い。ユーロ圏の稼働率、雇用、金融指標も強さを保っているため、インフレ警戒が解きにくい。月末~月初公表の重要指標が大幅に悪化すれば利下げという展開も予想されるが、景気下振れリスクとインフレ圧力両睨みを継続する可能性の方が高い。
(2008年02月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2015~2024年度 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017~2024年度 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022~2024年度 Discuss Japan編集委員
・ 2022年5月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
・ 2024年10月~ 雑誌『外交』編集委員
・ 2025年5月~ 経団連総合政策研究所特任研究主幹
伊藤 さゆりのレポート
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