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- 雇用・賃金統計07年11月~所定内給与の増加をどう見るか
■見出し
・失業率は改善、有効求人倍率は悪化
・所定内給与の増加をどう見るか
■introduction
総務省が12月28日に公表した労働力調査によると、11月の完全失業率は前月から0.2ポイント改善し3.8%となった(ロイター事前予想:4.0%、当社予想は3.9%)。
自営業主・家族従業者は大幅な減少が続いたが、雇用者数の伸びが前年比1.2%と10月の同0.4%から急速に高まり、就業者数が前年比0.3%(10月:同▲0.2%)と、3ヵ月ぶりの増加となった。
4月に3%台にまで低下した失業率は、9月、10月と雇用の伸びが急速に鈍化し、4%台に逆戻りしていた。その際指摘したように、労働力調査は月々の振れの大きい統計であり、9月、10月については実勢よりも悪い数字が出ていた可能性が高いだろう。
失業者は前年に比べ13万人の減少となった(10月:10万人減)。失業者の内訳を求職理由別に見ると、自己都合が94万人と前年に比べ9万人の減少、非自発的離職者が80万人と前年に比べ3万人の減少、その他が56万人と前年に比べ1万人の減少となった。
雇用者数の内訳を従業員規模別に見ると、100人以上の企業では大幅な増加が続き、30~99人の企業も10ヵ月ぶりの増加となったが、29人以下の中小企業では、9月以降、前年に比べ30万人程度の大幅な減少が続いている。収益環境の悪化などから、中小企業の雇用情勢は厳しさを増している。
厚生労働省が12月28日に公表した一般職業紹介状況によると、11月の有効求人倍率は前月から0.03ポイント低下の0.99倍となり、2005年11月以来2年ぶりに1倍を下回った(ロイター事前予想:1.02倍、当社予想も1.02倍)。有効求人数は前年比▲9.0%と10月の同▲6.5%からマイナス幅が拡大した。
有効求人数は、水増し求人に対する各地労働局による適正化推進による影響で、昨年夏場以降、減少が続いてきたが、厚生労働省は、9/28に派遣、請負事業者からの求人に対して、派遣先の就業場所、労働条件などの確認を徹底するよう、改めてハローワークに指示を出した。このため、10月以降の求人数は、労働需給の実態よりも下振れしている可能性が高いことには留意が必要だろう。
(2007年12月28日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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