- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 企業経営・産業政策 >
- 法人企業統計07年7-9月期~経常利益が21期ぶりに減少、企業部門の改善に陰り
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・経常利益は21四半期ぶりの減益
・設備投資は2四半期連続の減少
・7-9月期・2次速報は小幅下方修正を予測
■introduction
財務省が12月3日に公表した法人企業統計によると、07年7-9月期の全産業の経常利益は前年比▲0.7%(4-6月期:同12.0%)と、02年4-6月期以来21四半期ぶりの減益となった。売上高が4-6月期の前年比3.3%から同2.0%へと伸びが鈍化したことに加え、売上高経常利益率が前年よりも悪化したため、経常利益は02年4-6月期以来、21四半期ぶりの減益となった。売上高経常利益率は、全産業ベースで3.5%となり、前年よりも0.1ポイント悪化した。非製造業は0.1ポイントの改善となったが、製造業が0.6ポイントの大幅悪化となった。製造業の利益率悪化は、原材料費高騰に伴う売上高変動比率の悪化が主因である。
02年以降の企業部門の改善は、輸出の好調に支えられた売上増や利益率改善に伴う企業収益の増加によってもたらされてきた。7-9月期の経常利益が減益となったことは、これまで景気回復を主導してきた企業部門の改善に陰りが出てきたことを示すものと言えよう。
経常利益を業種別に見ると、製造業が4-6月期の前年比17.3%から同▲3.6%へと急速に悪化した。電気機械は前年比54.6%と4-6月期の同38.4%に続き大幅増益となったが、一般機械(前年比▲13.9%)、化学(同▲11.8%)、石油・石炭(同▲28.8%)等が二桁減益となった。
非製造業は、前年比1.5%と18四半期連続の増益となったが、4-6月期の前年比8.0%からは増益率が大きく低下した。情報通信業(同33.4%)、運輸業(同65.5%)は高い伸びとなったが、原材料費高騰に伴うコスト増が続く電気が前年比▲13.1%と4四半期連続の減益(4-6月期は同▲40.8%)となったほか、卸売・小売業が前年比▲9.4%(4-6月期:同2.1%)と減益に転じた。
(2007年12月03日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2025/10/31 | 2025年7-9月期の実質GDP~前期比▲0.7%(年率▲2.7%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
| 2025/10/31 | 鉱工業生産25年9月-7-9月期の生産は2四半期ぶりの減少も、均してみれば横ばいで推移 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
| 2025/10/31 | 雇用関連統計25年9月-女性の正規雇用比率が50%に近づく | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
| 2025/10/30 | 潜在成長率は変えられる-日本経済の本当の可能性 | 斎藤 太郎 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年11月07日
フィリピンGDP(25年7-9月期)~民間消費の鈍化で4.0%成長に減速、電子部品輸出は堅調 -
2025年11月07日
次回の利上げは一体いつか?~日銀金融政策を巡る材料点検 -
2025年11月07日
個人年金の改定についての技術的なアドバイス(欧州)-EIOPAから欧州委員会への回答 -
2025年11月07日
中国の貿易統計(25年10月)~輸出、輸入とも悪化。対米輸出は減少が続く -
2025年11月07日
英国金融政策(11月MPC公表)-2会合連続の据え置きで利下げペースは鈍化
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【法人企業統計07年7-9月期~経常利益が21期ぶりに減少、企業部門の改善に陰り】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
法人企業統計07年7-9月期~経常利益が21期ぶりに減少、企業部門の改善に陰りのレポート Topへ










