2007年11月30日

消費者物価(全国07年10月、東京07年11月)~コアCPIは10ヵ月ぶりのプラス、今後上昇幅は拡大

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■見出し

・石油製品価格の上昇からコアCPIは10ヵ月ぶりのプラス
・コアCPIの上昇幅は拡大方向へ

■introduction

総務省が11月30日に公表した消費者物価指数によると、10月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、事前の市場予想(ロイター集計:0.0%、当社予想も0.0%)を上回り、前年比0.1%となり、10ヶ月ぶりにプラスとなった。
昨年10月の高齢・高所得者の医療費自己負担引き上げの影響一巡から、診療代による前年比押し上げが剥落(9月:前年比1.9%→10月:同0.0%)したが、原油価格高騰を反映し、石油製品が前年比2.3%(9月:同▲0.3%)と2ヵ月ぶりに上昇に転じ、10月からの料金改定により、電気代(9月:前年比0.7%→10月:同1.4%)、ガス代(9月:前年比0.6%→10月:同1.3%)の上昇幅が拡大した。
総合指数は前年比0.3%(9月:同▲0.2%)、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合は同▲%(9月:同▲0.3%)であった。
消費者物価指数の調査対象584品目(生鮮食品を除くと523品目)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、2007年10月の上昇品目数は273、下落品目数は197(いずれも生鮮食品を除く総合ベース)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は14.5%(9月は4.0%)となり、先月に比べると上昇品目の割合が大きく上昇した。先月から今月にかけて下落から上昇に転じた品目としては、スパゲッティ、もち、まんじゅうなどの食料品、タオル、シャンプーが挙げられる。今後、即席めん、パン、ビールなどの値上げが予定されており、食料品を中心に消費者に身近な品目の物価上昇率はさらに高まる可能性が高い。

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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