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- 雇用・賃金統計07年9月~失業率は4%台に逆戻り
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■見出し
・失業率、有効求人倍率ともに2ヵ月連続で悪化
・夏季賞与は3年ぶりに減少
■introduction
総務省が10月30日に公表した労働力調査によると、9月の完全失業率は前月から0.2ポイント悪化し4.0%となった(ロイター事前予想:3.8%、当社予想も3.8%)。
失業率は4月に約9年ぶりに3%台となった後、7月には3.6%まで低下したが、この2ヵ月で0.4ポイント悪化し4%台に逆戻りした。失業者は前年に比べ11万人の減少となったが、減少幅は3ヵ月連続で縮小した。
8月の失業率悪化は、自営業主・家族従業者の減少幅が拡大したことが原因であったが、9月は労働需給を反映しやすい雇用者数の伸びが急速に鈍化(8月:前年比1.1%→9月:同0.2%)したことが失業率の悪化につながっており、懸念すべき内容と言える。
ただし、労働力調査は月々の振れが大きい統計であるため、今月の結果で雇用情勢の改善が止まってしまったと判断するのは早計だ。後述するように、より安定的な動きをする毎月勤労統計の常用雇用者数は前年比で1%台半ばの高い伸びを続けていることからすれば、労働力調査の雇用者数の伸びは10月以降、再び拡大する可能性もあるだろう。
雇用者数の内訳を従業員規模別に見ると、500人以上の大企業では大幅な増加が続く一方、499人以下の企業では減少しており、特に29人以下の中小企業では減少幅が大きくなっている。また、産業別には、製造業が6ヵ月ぶりに減少に転じたほか、それまで高い伸びを続けてきた医療・福祉がここ2ヵ月は減少している。
厚生労働省が10月30日に公表した一般職業紹介状況によると、9月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント低下し1.05倍となった(ロイター事前予想:1.06倍、当社予想は1.07倍)。有効求人数は前年比▲8.0%と8月の同▲5.4%からマイナス幅が拡大した。
新規求人数は前年比▲13.2%と8月の同▲6.7%からマイナス幅が急速に拡大しているため、有効求人倍率の低下傾向はしばらく続く可能性がある。
(2007年10月31日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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