- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 金融政策・市場の動き(5月)~低い物価上昇率でも利上げを示唆(展望レポート)
2007年05月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 展望レポート(4/27日公表)は、景気・物価情勢の見通しについて前回10月展望レポートの延長線上の見方が示された。すなわち先行きについては、息の長い拡大を続け、物価も前年比のプラス幅は次第に拡大との見方である。
- 今後の利上げに対して慎重な言い回しとはなっているが、全体を通じては、(1)足元のリスク(とくに米国経済)が減じ、(2)例え物価上昇率が低くとも将来に向けて景気拡大・物価の基調としての上昇の確率が高い場合には、資産価格高騰など将来のリスクを鑑み、利上げを淡々と行うことが示唆されていると言えるだろう。
- ただし、早期利上げが可能かといえば、現状では審議委員の大数が利上げ容認に動き出す状況にはない。次回利上げは、CPIのプラス基調、米国経済の再拡大が確認できる秋口以降となると予想する。
- 長期金利は、年度前半低位安定、後半は徐々にレンジが切り上がると予想。年度前半は(1)景気・物価とも停滞色が強まる、(2)日銀の連続利上げ観測も下火、(3)米長期金利低下の動き、から低位安定を続ける。ただし、年度後半には景気回復ピッチが再び高まり、物価が上昇トレンドに再び戻ることで、08年度を見据えた日銀の連続利上げ観測が強まり長期金利の上昇幅も拡大しよう。
- 円ドルレートは、日米の絶対金利差に着目したドル投資の流れが継続することでドル堅調の流れは続くだろう。ただし年後半以降は、(1)日銀の追加利上げ観測の高まり、(2)08年の大統領選挙を控え再び米国の対外不均衡問題が市場でテーマとなり始めることもあり、円高基調に転じると予想。
(2007年05月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1837
経歴
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | トランプ1.0のトラウマ-不確実性の高まりが世界の活動を止める | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
2025/02/12 | 供給制約をどう乗り切るか-設備投資の増勢を維持するために | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
2025/02/07 | 日米貿易交渉の課題-第一次トランプ政権時代の教訓 | 矢嶋 康次 | 基礎研マンスリー |
2024/12/03 | 日米貿易交渉の課題-第一次トランプ政権時代の教訓 | 矢嶋 康次 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【金融政策・市場の動き(5月)~低い物価上昇率でも利上げを示唆(展望レポート)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
金融政策・市場の動き(5月)~低い物価上昇率でも利上げを示唆(展望レポート)のレポート Topへ