2007年02月09日

予測指数から見た1-3月期の生産動向

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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  1. 2006年10-12月期の鉱工業生産は、前期比2.6%の大幅増加となったが、2007年1-3月期は6四半期ぶりに減少に転じるとの見方も多い。
  2. その理由のひとつは、IT関連財を中心に在庫調整圧力が高まっていることだ。現時点では、鉱工業全体が在庫調整に陥る可能性は高くないと考えられるが、非IT関連業種でも在庫積み上がりの動きが見られることには注意が必要である。
  3. 1-3月期の生産を弱めに見るもうひとつの理由は、1月、2月の製造工業生産予測指数(以下、予測指数)がそれぞれ前月比▲2.8%、0.1%と弱めの動きとなっていることだ。12月までの鉱工業生産指数の実績値を、予測指数の前月比を使って2月まで先延ばしし、3月を横這いと仮定すると、1-3月期は前期比▲2.0%の低下となる。
  4. ただし、鉱工業生産指数と予測指数を比較すると、前月比同士よりも前年比同士のほうが当てはまりがよい。予測指数の前年比から鉱工業生産指数の前年比を求めると、12月実績の4.6%の後、1月、2月はそれぞれ5.3%、3.8%となる。さらに、鉱工業生産の予定季節指数を用いて季節調整値を計算すると、1月は前月比▲0.4%、2月は同▲0.2%となり、3月を前月比横這いとすると、1-3月期は前期比0.2%となる。
  5. 在庫調整圧力が高まっていることには注意が必要だが、1-3月期の生産は現時点の予測指数(前月比)が示すほど弱いものとはならない可能性が高い。
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(2007年02月09日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   経済調査部長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

経歴
  • ・ 1992年:日本生命保険相互会社
    ・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
    ・ 2019年8月より現職

    ・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
    ・ 2018年~ 統計委員会専門委員

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