2005年05月06日

金融政策、金融・為替市場の動き

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

文字サイズ

  1. 日銀は展望レポート(4/28日公表)で、2006年度にデフレを脱却するとのシナリオを提示した。しかし、そのシナリオの前提となっている海外経済の拡大基調に対して、当研究所は否定的な見方を取るものであり、今のところ中国、米国ともに弱い経済統計が出てきている。ただ、短期での再加速のシナリオを完全に否定できるだけの材料もない。当面、景況感の方向性がつかみにくい状況が続くことになるだろう。
  2. 景況感の下方修正を行った日銀は、いくら札割れが頻発し、当座預金の下限維持が困難な状況となっても、「引き下げ」は選択肢とはなりえない。次回決定会合(5月19、20日)は現状維持となると予想する。
  3. 国内債券市場は、もうしばらく堅調な推移が続こう。国内景気の踊り場が長期化するとの予想から、国内外の投資家は運用対象を株から債券にシフトしており、この動きが金利低下をサポートしよう。
  4. 為替市場では、ドル高の戻しの動きとなっている。市場では米国経済の先行きへの不安が高まっており、当面、対円、ユーロともドルじり安の展開を予想する。
36584_ext_15_1.jpg

(2005年05月06日「Weekly エコノミスト・レター」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

経歴

公式SNSアカウント

新着レポートを随時お届け!
日々の情報収集にぜひご活用ください。

週間アクセスランキング

レポート紹介

【金融政策、金融・為替市場の動き】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

金融政策、金融・為替市場の動きのレポート Topへ