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- 欧州経済:ユーロ高の進行と景気下振れのリスク
2004年01月23日
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- 輸出主導の回復基調が続くユーロ圏で、急改善が続いた企業景況感にユーロ高の影響と思われる鈍化の兆候が顕れ始めた。
- 最近のユーロ相場は、12日に1ユーロ=1.2898ドルの市場最高値をつけた後、ECB理事やユーロ圏政府高官の牽制発言で1ユーロ=1.23ドル台までいったん下落、19日に公表された財務相、ECBの共同声明でユーロ高阻止の具体策が盛り込まれなかったことを受けて急反発するなど、値動きが荒くなっている。
- ユーロ圏の当局者は、相場変動の激しさと米国の経常赤字是正のための調整負担の多くをユーロが負っていることを問題視しており、2月初めのG7では、為替相場安定に向けた協調的取り組みが提起される見込みである。
- ユーロ相場は、当面は1ユーロ=1.3ドルを上値に一進一退の推移となろうが、米国の巨額の経常赤字という根本の問題が解消しない中では、ユーロ高の基調は変わらず、域外景気の回復テンポに比べて、ユーロ圏の輸出、生産、雇用回復のペースが抑制された状況が続くことになるだろう。
(2004年01月23日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2015~2024年度 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017~2024年度 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022~2024年度 Discuss Japan編集委員
・ 2022年5月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
・ 2024年10月~ 雑誌『外交』編集委員
・ 2025年5月~ 経団連総合政策研究所特任研究主幹
伊藤 さゆりのレポート
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