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- 省エネ対応が進む大型冷蔵庫
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■目次
1.改善すすむ大型冷蔵庫の消費電力
2.トータルコストに大きな差
3. 急がれるトップランナー方式の基準決定とリサイクル体制の構築
■introduction
大型冷蔵庫の消費電力が急激に改善している。冷蔵庫の年間消費電力は、家庭で使用する総電力の約5分の1を占めることから、省エネインパクトは大きい。
しかし、大型冷蔵庫の消費電力が改善したのは最近のことであり、90 年代前半は上昇していた。これは、「オゾン層保護に関する国際条約」によって、それまで冷媒として利用していた「特定フロン」を使用することができなくなったためである。特定フロンに代わって採用された「代替フロン」は、冷却効率が劣るため、92~94 年に発売された新製品はそれ以前の製品よりも消費電力が大幅に悪化することになった。
この状況に変化が現れたのは、メーカーが、激しい省エネ競争を始めた95 年のことである。そこで注目されたのが、(1)インバーター回路の導入、(2)真空断熱材の採用という二大技術革新である。
「インバーター」は、電源周波数を変化させることで電気機器をきめ細かく制御する装置であり、結果的に消費電力も抑えることができる。もともとは産業用機械のモータ制御に利用されていたが、コストが高いため、エアコンを除けば一般家電製品への採用は遅れていた。また、「真空断熱材」も製造工程が複雑なうえ、量産には多額の設備投資を要するため、家庭用冷蔵庫への採用はなかなか進まなかった。
しかし、地球環境問題への関心が高まるにつれ、「省エネ対応が販売時の訴求ポイントとなる」とみたメーカーはコストアップ覚悟で、家庭用冷蔵庫への採用を一気に進めた。
その結果、大型冷蔵庫の消費電力は、95 年に55KWh/月であったものが、98 年2月には25KWh/月となり、わずか3年間で半減した。また、インバーターによって運転音が小さくなったり、断熱材が薄くなったことで省スペースが実現され、付随メリットも大きい。
(1998年04月25日「基礎研マンスリー」)
松尾 忠史
松尾 忠史のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
1999/03/25 | 家電リサイクル法とその影響 | 松尾 忠史 | 基礎研マンスリー |
1998/04/25 | 省エネ対応が進む大型冷蔵庫 | 松尾 忠史 | 基礎研マンスリー |
1997/10/25 | 回復するAV機器の国内生産 | 松尾 忠史 | 基礎研マンスリー |
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