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■目次
1. 配当金収入が営業利益と同規模に
2. 産業構造変化に対応した投資が活発化
3. リスク管理や投資効率の向上が課題
■introduction
総合商社の収益構造が変化しつつある。 大手5社の 96 年度経常利益を集計・分解すると、 受取配当金収入が過去最高の 1,442 億円に達し、 取引仲介手数料など商品売買にともなう収益を源泉とする営業利益とほぼ同規模となった。 配当金収入が増加している要因には、 円安による海外からの配当金の換算増や、 持ち合い株式等からの配当増加もあるが、 最も寄与が大きいのは事業投資活動にともなう関係会社等からの配当増加である。 96 年度の関係会社からの配当金は、 5社計で前年度比 12.5%増の 968 億円で、 配当金収入の 67%を占めている。 幅広い商品を取り扱う総合商社は、 事業会社の設立や各種企業への出資を通じ、 事業領域の拡大とグループ力強化に努めてきた。 大手5社計の投資残高 (固定資産の投資有価証券・関係会社株式・出資金・社債等の合計) は、 バブル崩壊後停滞していたが 94 年度以降再び増加に転じ、 96 年度末には約 3.4 兆円に達している。 また連結対象会社数は、 96 年度には5社計で 3,783 社 (91 年度:3,140 社) となり、 最も多い伊藤忠商事では 1,000 社を突破した。 そのうちの黒字会社比率も、 93 年度の 64.6%から 96 年度は 72.6%に回復している。
吉久 雄司
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