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■目次
1.はじめに -大都市圏問題としての高齢化
2. 日本の福祉施策の動向 -施設から在宅へ、 そして統合化へ
3. 高齢社会に向けた福祉インフラ整備 -自立生活を支える施設整備
おわりに
■introduction
これまで高齢化問題は、高齢化率の高い地方において顕著であったことから過疎問題と重ねて語られることが多かった。しかし、これから最も深刻となる高齢化問題は、高齢化の高まりとともに、高齢者数が大幅に増加する大都市圏問題であるとの認識が必要である。
例えば、1990年から2010年までの高齢者人口の増加数を都道府県別に見ると、東京都115万人、神奈川県109万人、大阪府98万人、埼玉県95万人、千葉県81万人、愛知県78万人、兵庫県58万人と三大都市圏での増加が著しく、とりわけ東京圏の1都3県の合計は400万人となっている。また、2010年の在宅と施設の要介護者は東京圏の1都3県で86万人、近畿2府4県で58万人と推計されており、虚弱者や重介護者など様々な心身状態の要介護高齢者が、今後、大都市圏を中心に増加すると思われる。
高齢化対応は地方において先進的な取組が多く見られ、社会福祉システムとして地方から学ぶべき点が多くある。しかし、大都市圏の住宅形態、家族形態、地価や土地利用形態、就業形態などは地方と大きな違いが見られ、今後、大都市圏固有の高齢化対応が必要となると考えられる。
(1997年04月25日「基礎研マンスリー」)
土堤内 昭雄
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