- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 5月上旬が為替相場の分岐点に~マーケット・カルテ5月号
2017年04月20日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大

今後も当面は円高圧力が強い時間帯が続く。北朝鮮情勢の緊迫が続くなか、仏大統領選(4月23日、5月7日)、米暫定予算期限(4月28日)などの要警戒イベントが続き、リスク回避的な地合いが続くためだ。ただし、5月7日の仏大統領選(決戦投票)以降はドルが持ち直すと見ている。本命視される中道のマクロン氏が勝利し、市場のリスク回避姿勢が一服、円の売り戻しが入る可能性が高い。また、政治イベントを無難に通過することで、FRBの金融引き締めに市場の目が再び向かいやすくなることもドル高要因になる。ただし、地政学リスクの払拭は困難であるうえ、米政権からの円安・ドル高けん制への警戒も残ることから、大幅な円安ドル高は見込み難い。3ヵ月後の水準は1ドル112円前後と予想している。
ユーロ円は、仏大統領選への警戒に伴うユーロ売りとリスク回避的な円買いに伴って、足元で116円台に下落している。当面、ますます政治リスクが意識され、ユーロ安圧力が強い状況が続きそうだ。ただし、既述の通り、5月上旬以降は仏大統領選でマクロン氏が勝利することでユーロが買い戻されると見ている。3ヵ月後の水準は1ユーロ120円手前と予想する。
長期金利は、リスク回避と弱めの米経済指標を受けて低下し、近頃は0.0%の節目に肉薄している。今後も当面低位で推移するが、5月上旬以降はリスク回避地合いの後退と日銀の国債買入れ減額への警戒感などからやや上昇しそうだ。3ヵ月後の水準は0.0%台後半を見込んでいる。
(執筆時点:2017/4/20)
(2017年04月20日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/22 | 米利下げ再開が視野に、円高進行の目途は?~マーケット・カルテ9月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/08/12 | 貸出・マネタリー統計(25年7月)~銀行貸出が連月で急増、定期預金も増勢を拡大中 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/04 | 長期金利1.6%到達は通過点か?~今後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/23 | 参院選・日米関税合意を受けて円相場はどう動く?~マーケット・カルテ8月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年08月29日
米移民政策と労働市場への影響-トランプ政権の厳格な移民政策に伴い、外国生まれの労働力人口は大幅減少。懸念される労働供給への影響 -
2025年08月29日
成約事例で見る東京都心部のオフィス市場動向(2025年上期)-「オフィス拡張移転DI」の動向 -
2025年08月29日
鉱工業生産25年7月-自動車中心に下振れリスクが高く、7-9月期は減産の可能性 -
2025年08月29日
雇用関連統計25年7月-失業率はコロナ禍前の水準まで低下したが、有効求人倍率は低迷が続く -
2025年08月28日
東証の上場維持基準の適用が本格化~基準未達企業の対応状況~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【5月上旬が為替相場の分岐点に~マーケット・カルテ5月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
5月上旬が為替相場の分岐点に~マーケット・カルテ5月号のレポート Topへ