2016年03月02日

【アジア新興経済レビュー】輸出不振は継続、内需も政策要因の剥落で変調の動き

経済研究部 研究員   斉藤 誠

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  1. (実体経済)
    生産面の伸び率(前年同月比)の動きを見ると、輸出の低迷に加え、内需にも政策要因剥落の影響で変調の動きがあり、低下傾向が強まった。韓国とタイは昨年末の駆け込み需要からの反動で自動車の生産が減少、また台湾は内外の需要低迷や国際競争の激化を受けた電子部品や機械設備を中心に減少した。
     
  2. (消費者物価上昇率)
    1月の消費者物価上昇率(前年同月比)は、14年末の原油価格下落による物価下押し圧力が後退し、緩やかな上昇傾向にある。インドは豆類や香辛料、油・油脂といった食品価格を中心に5ヵ月連続の上昇、インドネシアは14年の補助金付き燃料価格値上げの上昇要因が剥落した前月から上昇に転じた。一方、韓国は昨年1月のたばこの大幅値上げによる物価上昇圧力が剥落して前月から低下した。
     
  3. (金融政策)
     2月は韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、インドの中央銀行で金融政策会合が開かれ、インドネシアが政策金利を引下げ、その他の会合では据え置きとなった。
     
  4. (2月の注目ニュース)
    -マレーシア、タイ、インドネシア、インド:10-12月期GDPを公表
    -韓国:追加の景気刺激策を発表(3日)
    -インド:2016-17年度政府予算案公表(29日)
     
  5. (3月の主要指標)
    3月は韓国、台湾、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの中央銀行で金融政策会合が開かれる。米国の利上げ先送り観測が高まるなか、各国・地域のインフレ率は低く、利下げ余地を残している国・地域は多いと言える。特にインフレ率の低下が顕著なインドネシアと景気低迷の長期化が懸念される台湾では、それぞれ追加利下げに踏み切る可能性はあるだろう。

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経済研究部   研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
アジア・新興国経済

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