2011年07月01日

6月調査日銀短観~大企業・製造業の景況感は15悪化の▲9、先行きはV字回復

経済研究部 チーフエコノミスト   矢嶋 康次
経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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  1. 大企業製造業業況判断D.I.は▲9と前回から15ポイント悪化、震災によって企業マインドが大きく下振れした姿が示された。震災後、サプライチェーンの回復は順調に進み生産も回復基調が明確になってきているため、企業景況感の最悪期は既に脱していると考えられる。但し、水準自体は未だ震災前を大きく下回っていることから、前回調査との対比では大幅な悪化という構図。サプライチェーン寸断の影響は大企業に留まらないこと、消費も本格回復には至っていないことから、企業規模や製造・非製造の別なく、景況感は大きく悪化した。
  2. 先行きについては大企業製造業のD.I.が2と11ポイントの大幅改善。夏場の電力逼迫が企業活動の制約要因となる懸念が残り、先行きでもD.I.水準は震災前に届かないものの、サプライチェーンの復旧や復興需要による生産回復期待が押し上げた形。中小企業製造業の先行き改善もかなり大きい。一方、非製造業の先行きはやや弱い印象。特に中小企業では悲観が強い。
  3. 11年度設備投資計画(全規模全産業)は対前年0.0%と前回調査から上方修正となったが、3月調査からの修正率は昨年同時点をやや下回る。例年3月から6月調査にかけては、設備投資計画が固まってくることに伴って大きめの上方修正が行われる傾向があるが、今年度は震災の影響で計画策定が遅れ修正幅が制約された要因もあるとみられる。悲観するような水準ではないが、やや力強さには欠け、復興を見越して設備投資を積み上げる状況にはないようだ。
 
業況判断DIは大きく悪化も、先行きは改善(大企業)

 
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経済研究部

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

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経済研究部

上野 剛志 (うえの つよし)

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