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1.
最近、日本の人的資源に関する評価が急速に低下している。
2.
他国より長引いた金融危機処理、産業構造の変化にともなう人的資源の評価軸シフト、世界的なコアビジネス志向などを契機に、日本の人材には国際競争上必要とされる高度専門能力が不足していることが明らかになったからである。
3.
その背景としては、国内における外国人材との競争の欠如が第一に挙げられるが、日本社会に強い組織志向やジェネラリスト志向、高度専門能力に対するニーズの低さ、アマチュアを好む社会的風潮などの伝統的要因も影響している。
4.
「個の時代」への移行は伝統的要因の多くを変質させ、国内市場のグローバル化と相俟って、専門人材の社会的地位を引き上げていくと予想される。
5.
専門人材の育成には長期的視点が不可欠であるが、当面は専門能力の市場価格の設定、外国人の参入による人材市場のグローバル化等など、人材市場の市場機能発揮を促進する諸施策を、産業界挙げて推進することが望まれる。
小野寺 英機
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