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責任投資:約束から行動へ-PRI in Person 2023東京大会の模様-

日本生命保険 調査部 ESG投融資推進室

木村武(編集責任者、日本生命保険執行役員・PRI理事)

熊谷任明、坂本勇輝、高瀬俊史、楯琴佳、林宏樹、林裕太郎、山根真帆
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- PRI in Person 2023が10月に東京で開催された。昨年来、米国では共和党寄りの州において、反ESGの動きが勢いを増す中、「この先、ESG投資がどのような影響を受けるのか」、その関心は米国内外で高まっていた。そうした状況も重なり、今年のPRI in Personは、投資家にとって重要な意見交換の場になった。
- 東京大会のテーマは「約束から行動へ」。参加した投資家らは、サステナビリティ・アウトカムの形成に向けて、投資実務への具体的な落とし込みに伴う課題を中心に議論した。サステナビリティ課題が全体として高度化・複雑化していく中で、現実的なソリューションを見出すための投資家による取組みや試行錯誤の様子が伺われた。
- 米国の反ESGの影響については、投資家にとって透明性と説明責任がより求められるようになった結果、そのことがむしろ受託者責任の基底の強化に繋がっているというポジティブな見方が示され、多くの参加者から共感を得た。長期の機関投資家にとって、ESGの考慮が受益者の最善利益に不可欠であることが改めて強調された。
- また、サステナビリティ課題が気候変動から自然・生物多様性、人権、公正な移行へと様々な分野に拡がっていく中で、投資家間の協働の重要性が従来以上に高い関心を集めた。このほか、政策当局の規制や公共政策が責任投資領域に及ぼす影響の大きさを踏まえ、投資家によるポリシー・エンゲージメントの重要性を指摘する投資家も多くなった。
- 各国政府の取組みに対する投資家の期待が高まる中、今回の東京大会では、日本政府の責任投資に対する力強い支持がひと際目立つものとなった。岸田総理が登壇し、サステナビリティ・アウトカムへの支持を表明したほか、7つの公的年金基金がPRI署名の準備に入ることも表明した。米国で反ESGの動きが勢いを増す中で、日本政府がESG・サステナビリティに対してぶれない姿勢を明確に示したことは、グローバル投資家にとって力強いメッセージとなった。
■目次
1―― Moving from commitments to action
2―― 責任投資アプローチの根本的変化
3―― サステナビリティ課題の多様化・高度化と協働エンゲージメント
3.1. 自然資本・生物多様性とSpring
3.2. 気候変動とClimate Action 100+
3.3. 人権とAdvance
3.4. 反トラスト法と協働エンゲージメント
4―― 移行計画と公正な移行
4.1. 移行計画
4.2. 公正な移行のためのポリシー・エンゲージメント
5―― Anti-ESG
6―― 日本政府の責任投資に対するスタンス
(2023年11月20日「基礎研レポート」)
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