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2023年04月04日
欧州大手保険グループの2022年末SCR比率の状況について(2)-ソルベンシーIIに基づく数値結果報告(比率の推移分析と感応度の推移)-
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6|Zurich
Zurichは、ソルベンシーII制度の対象会社ではないが、2019年末までは、ソルベンシーIIと同等と考えられているSST(スイス・ソルベンシー・テスト)による数値と社内の経済ソルベンシー比率であるZ-ECM(Zurich Economic Capital Model)を公表してきた。ところが、2020年からはSST比率での開示を中心に据えることに変更している。Zurichによれば、SSTはZ-ECMよりも安定性をもたらし、資本は基本的には同じ方法で管理される。
ZurichのSST比率は、監督当局であるFINMAと合意した内部モデルで算出している。また、2022年末の数値は、2022年第4四半期に完了したイタリアの生命保険・年金バックブックのGama Lifeへの売却後の数値であり、これが9%ポイントンの増加に寄与したとしている。
Zurichは、ソルベンシーII制度の対象会社ではないが、2019年末までは、ソルベンシーIIと同等と考えられているSST(スイス・ソルベンシー・テスト)による数値と社内の経済ソルベンシー比率であるZ-ECM(Zurich Economic Capital Model)を公表してきた。ところが、2020年からはSST比率での開示を中心に据えることに変更している。Zurichによれば、SSTはZ-ECMよりも安定性をもたらし、資本は基本的には同じ方法で管理される。
ZurichのSST比率は、監督当局であるFINMAと合意した内部モデルで算出している。また、2022年末の数値は、2022年第4四半期に完了したイタリアの生命保険・年金バックブックのGama Lifeへの売却後の数値であり、これが9%ポイントンの増加に寄与したとしている。
3―まとめ
以上、各社のプレス・リリース資料等に基づいて、欧州大手保険グループの2022年末におけるSCR比率の推移分析や感応度の推移の状況について報告してきた。
2016年1月1日に新たなソルベンシー制度であるソルベンシーIIがスタートして、7 年が経過した。この間、各社は自社の考え方をベースとしつつも、新たなソルベンシー制度に適切に対応すべく、各社各様の方策で各種の対応を行ってきている。
次回のレポートでは、資本管理に関係する取引等のトピックについて報告する。
2016年1月1日に新たなソルベンシー制度であるソルベンシーIIがスタートして、7 年が経過した。この間、各社は自社の考え方をベースとしつつも、新たなソルベンシー制度に適切に対応すべく、各社各様の方策で各種の対応を行ってきている。
次回のレポートでは、資本管理に関係する取引等のトピックについて報告する。
(2023年04月04日「保険・年金フォーカス」)
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