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2022年06月07日
欧州大手(再)保険グループが2022年第1四半期業績発表でロシアのウクライナ侵攻による影響を開示
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4―まとめ
なお、ロシアのウクライナ侵攻に伴って、保険業界に関連して、さらに例えば、以下の動きが見られている。
・Lloyd’s of London もロシアのウクライナ侵攻によって大幅な損失が予想されるとしているが、それに対応する十分な資本があると述べている。また、Lloyd’s of LondonのCarnegie-Brown会長は、「Lloyd’sの収入の1%未満がウクライナ、ベラルーシ又はロシアからのものであるため、戦争によって提示された問題はLloyd’sにとって『殆ど二次的なリスク』である。」と述べている。
・4月に、ロシア政府は自国の保険会社と日米欧等の「非友好国」の保険会社との取引を禁止した。
・日本の損害保険会社もロシアでの保険引受を全面停止した(日本の損害保険会社は、ロシアに現地法人を有しているわけではなく、ロシア国内の保険会社や欧州の保険会社を通じて、保険サービスを提供してきたが、ロシア政府の方針や欧州の保険会社の対応を受けて、このような対応を行っている)。
・Financial Timesによれば、EUと英国がロシア産石油を運ぶタンカーへの保険を禁止する(ただし、禁止措置が始まるのは6か月後)見通しと報じられている。
以上、ここまでロシアのウクライナ侵攻が保険業界に与える影響の概要等を述べてきた。ただし、「1.はじめに」で述べたように、航空機保険やサイバー保険等の特殊保険(スペシャルティ)の請求の取扱等に関しては、未だ不透明な状況にある。さらには、今回のロシアのウクライナ侵攻が世界経済等に大きな影響を与えることを通じて、間接的に保険会社の事業等に与える影響等については、いまだ不確実で不透明な要素が大きいものがある。
これらの件を含めて、ロシアのウクライナ侵攻を巡る保険業界における今後の動向については、引き続き関心が高い事項であることから、継続的に注視していくこととしたい。
・Lloyd’s of London もロシアのウクライナ侵攻によって大幅な損失が予想されるとしているが、それに対応する十分な資本があると述べている。また、Lloyd’s of LondonのCarnegie-Brown会長は、「Lloyd’sの収入の1%未満がウクライナ、ベラルーシ又はロシアからのものであるため、戦争によって提示された問題はLloyd’sにとって『殆ど二次的なリスク』である。」と述べている。
・4月に、ロシア政府は自国の保険会社と日米欧等の「非友好国」の保険会社との取引を禁止した。
・日本の損害保険会社もロシアでの保険引受を全面停止した(日本の損害保険会社は、ロシアに現地法人を有しているわけではなく、ロシア国内の保険会社や欧州の保険会社を通じて、保険サービスを提供してきたが、ロシア政府の方針や欧州の保険会社の対応を受けて、このような対応を行っている)。
・Financial Timesによれば、EUと英国がロシア産石油を運ぶタンカーへの保険を禁止する(ただし、禁止措置が始まるのは6か月後)見通しと報じられている。
以上、ここまでロシアのウクライナ侵攻が保険業界に与える影響の概要等を述べてきた。ただし、「1.はじめに」で述べたように、航空機保険やサイバー保険等の特殊保険(スペシャルティ)の請求の取扱等に関しては、未だ不透明な状況にある。さらには、今回のロシアのウクライナ侵攻が世界経済等に大きな影響を与えることを通じて、間接的に保険会社の事業等に与える影響等については、いまだ不確実で不透明な要素が大きいものがある。
これらの件を含めて、ロシアのウクライナ侵攻を巡る保険業界における今後の動向については、引き続き関心が高い事項であることから、継続的に注視していくこととしたい。
(2022年06月07日「保険・年金フォーカス」)
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