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2022年05月26日
欧州大手保険Gの2021年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況-
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2|Allianz
(1)全体の状況
2021年の新契約価値(NBV)は、2020年に比べて45.0% と大きく増加して、25.27億ユーロとなった。2020年との差額+7.84億ユーロの内訳について、(1)規模の拡大により+3.88億ユーロ(米国における売上げ拡大+1.15憶ユーロ、イタリアにおけるバックブックの再交渉とユニバーサル保険の売上の進展で+0.83億ユーロ)、(2)子会社全体でのより資本効率の高い商品に向けた広範な取り組みによる商品ミックスの改善により+3.88億ユーロ(米国での固定指標年金に関する商品変更で+0.99億ユーロ、フランスにおける新しいハイブリッド商品へのシフトで+1.35億ユーロ、ドイツの生命保険における資本効率の高いハイブリッド/ユニバーサル保険商品へのシフトと保障商品のより高いシェアにより+1.13億ユーロ)、(3)前提の変更+0.35億ユーロ、等としている。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、主として上記で述べた商品ミックスの改善により、2020年に比べて0.4%ポイント上昇して、3.2%となった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料(APE))は、2020年に比べて6.1%ポイント上昇して、26.3%となった。
また、新契約保険料現在価値(PVNBP)は、2021年における広範な契約の成長と、イタリアとフランスにおけるバックブックへの措置の影響を反映して、27.9%増加して786.50億ユーロとなった。
新契約年換算保険料(APE)は、一時払保険料が、主に米国での固定指数及び変額年金の増加ならびにフランスでの移管措置及びイタリアでのグループ事業契約の再交渉により増加、継続保険料が、主にポーランドでの契約境界処理に関する規制の変更により、AZ RE(アリアンツ再保険)及びCEE(中東欧)地域にけん引されて増加したことにより、11.6%増加して96.15億ユーロとなった。
(1)全体の状況
2021年の新契約価値(NBV)は、2020年に比べて45.0% と大きく増加して、25.27億ユーロとなった。2020年との差額+7.84億ユーロの内訳について、(1)規模の拡大により+3.88億ユーロ(米国における売上げ拡大+1.15憶ユーロ、イタリアにおけるバックブックの再交渉とユニバーサル保険の売上の進展で+0.83億ユーロ)、(2)子会社全体でのより資本効率の高い商品に向けた広範な取り組みによる商品ミックスの改善により+3.88億ユーロ(米国での固定指標年金に関する商品変更で+0.99億ユーロ、フランスにおける新しいハイブリッド商品へのシフトで+1.35億ユーロ、ドイツの生命保険における資本効率の高いハイブリッド/ユニバーサル保険商品へのシフトと保障商品のより高いシェアにより+1.13億ユーロ)、(3)前提の変更+0.35億ユーロ、等としている。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、主として上記で述べた商品ミックスの改善により、2020年に比べて0.4%ポイント上昇して、3.2%となった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料(APE))は、2020年に比べて6.1%ポイント上昇して、26.3%となった。
また、新契約保険料現在価値(PVNBP)は、2021年における広範な契約の成長と、イタリアとフランスにおけるバックブックへの措置の影響を反映して、27.9%増加して786.50億ユーロとなった。
新契約年換算保険料(APE)は、一時払保険料が、主に米国での固定指数及び変額年金の増加ならびにフランスでの移管措置及びイタリアでのグループ事業契約の再交渉により増加、継続保険料が、主にポーランドでの契約境界処理に関する規制の変更により、AZ RE(アリアンツ再保険)及びCEE(中東欧)地域にけん引されて増加したことにより、11.6%増加して96.15億ユーロとなった。
(2)新契約マージン(対PVNBP)の商品タイプ別状況
新契約保険料現在価値(PVNBP)及び新契約マージン(対PVNBP)の商品タイプ別状況は、以下の図表の通りとなっている。
新契約保険料現在価値(PVNBP)の構成比は、保証付貯蓄&年金が12.2%(2020年は13.6%、以下同様)、高資本効率商品が41.9%(44.6%)、ユニットリンクが25.2%(24.4%)、保障&医療が20.8%(17.4%)、となっている。これにより、(保証付貯蓄・年金以外の)高資本効率商品等の会社の優先商品のシェアは、2017年の76%から2021年の88%に上昇した。
一方で、2021年の新契約マージン(対PVNBP)は、保証付貯蓄・年金や保障・医療をほぼ横ばいだったが、高資本効率商品では2.6%から3.2%に、ユニットリンクでは2.2%から2.5%に上昇した。
新契約保険料現在価値(PVNBP)及び新契約マージン(対PVNBP)の商品タイプ別状況は、以下の図表の通りとなっている。
新契約保険料現在価値(PVNBP)の構成比は、保証付貯蓄&年金が12.2%(2020年は13.6%、以下同様)、高資本効率商品が41.9%(44.6%)、ユニットリンクが25.2%(24.4%)、保障&医療が20.8%(17.4%)、となっている。これにより、(保証付貯蓄・年金以外の)高資本効率商品等の会社の優先商品のシェアは、2017年の76%から2021年の88%に上昇した。
一方で、2021年の新契約マージン(対PVNBP)は、保証付貯蓄・年金や保障・医療をほぼ横ばいだったが、高資本効率商品では2.6%から3.2%に、ユニットリンクでは2.2%から2.5%に上昇した。
なお、Allianzは、超低金利環境下で、商品面等で以下の調整を行ってきたと述べている。
・高資本効率商品へのシフト
・伝統的な新契約保証利率を引き下げることで、平均保証利率を2020年の1.85%から2021年の1.76%に引き下げ(因みに2019年は1.93%)
・市場金利依存度の低い商品の導入により、金利感応度を低水準に
・価格機動性の向上
・ALMの改善
・高資本効率商品へのシフト
・伝統的な新契約保証利率を引き下げることで、平均保証利率を2020年の1.85%から2021年の1.76%に引き下げ(因みに2019年は1.93%)
・市場金利依存度の低い商品の導入により、金利感応度を低水準に
・価格機動性の向上
・ALMの改善
3|Generali
(1)全体の状況
2021年の新契約価値(NBV)は、2020年に比べて24.6%増加(比較ベースでは、24.2%増加、以下同様)して、23.13億ユーロとなった。(1)商品ミックスの改善で+2.16億ユーロ、(2)商品特性の変更等で+2.99億ユーロとなった一方で、(3)不利な経済環境による影響は▲0.63億ユーロとなった。
商品ミックスは、死亡した場合にのみ保証する商品の販売をさらに促進(イタリアでは、新契約の貯蓄商品の保険料の合計に対するウェイトが2020年の49.7%から2021年には67.4%に増加)することで改善した。商品特性の変更は、従来の単独の貯蓄契約の販売を削減して、ユニットリンク要素がより高い、より収益性の高いハイブリッド商品を優先したこと、金利へのエクスポージャーを制限し、低い平均保証利率(2021年にユーロ圏で▲0.16%)を維持するために実行されたアクションが含まれる。経済環境は、例えばユーロ圏では参照レートが2020年から2021年にかけて年間平均累積ベースで6 bps低下する等の不利な状況にあった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、上記のNBVの増加で述べたのと同様の理由で、2020年に比べて0.58%ポイント上昇(0.57%ポイント上昇)して、4.52%となった。(1)商品ミックスの改善で+0.14%ポイント、(2)商品特性の変更等で+0.59%ポイントとなった一方で、(3)不利な経済環境による影響は▲0.16%ポイントとなった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料(APE))は、6.5%ポイント上昇(6.4%ポイント上昇)して、46.2%となった。
2020年に比べて、新契約保険料現在価値(PVNBP)は8.7%増加(8.6%増加)して511.92億ユーロとなり、新契約年換算保険料(APE)は7.2%増加(6.9%増加)して50.09億ユーロとなった。これは主として、ユニットリンク販売の成長(PVNBPウェイトが31.3%から34.4%に増加)による。
なお、新契約IRR(内部収益率)は、2.0%ポイント増加して24.3%となった。これは、商品ミックスの改善、その計算の基礎となる一般的に高いリアルワールドの経済前提及び安定した初年度経費負担による。
(1)全体の状況
2021年の新契約価値(NBV)は、2020年に比べて24.6%増加(比較ベースでは、24.2%増加、以下同様)して、23.13億ユーロとなった。(1)商品ミックスの改善で+2.16億ユーロ、(2)商品特性の変更等で+2.99億ユーロとなった一方で、(3)不利な経済環境による影響は▲0.63億ユーロとなった。
商品ミックスは、死亡した場合にのみ保証する商品の販売をさらに促進(イタリアでは、新契約の貯蓄商品の保険料の合計に対するウェイトが2020年の49.7%から2021年には67.4%に増加)することで改善した。商品特性の変更は、従来の単独の貯蓄契約の販売を削減して、ユニットリンク要素がより高い、より収益性の高いハイブリッド商品を優先したこと、金利へのエクスポージャーを制限し、低い平均保証利率(2021年にユーロ圏で▲0.16%)を維持するために実行されたアクションが含まれる。経済環境は、例えばユーロ圏では参照レートが2020年から2021年にかけて年間平均累積ベースで6 bps低下する等の不利な状況にあった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、上記のNBVの増加で述べたのと同様の理由で、2020年に比べて0.58%ポイント上昇(0.57%ポイント上昇)して、4.52%となった。(1)商品ミックスの改善で+0.14%ポイント、(2)商品特性の変更等で+0.59%ポイントとなった一方で、(3)不利な経済環境による影響は▲0.16%ポイントとなった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料(APE))は、6.5%ポイント上昇(6.4%ポイント上昇)して、46.2%となった。
2020年に比べて、新契約保険料現在価値(PVNBP)は8.7%増加(8.6%増加)して511.92億ユーロとなり、新契約年換算保険料(APE)は7.2%増加(6.9%増加)して50.09億ユーロとなった。これは主として、ユニットリンク販売の成長(PVNBPウェイトが31.3%から34.4%に増加)による。
なお、新契約IRR(内部収益率)は、2.0%ポイント増加して24.3%となった。これは、商品ミックスの改善、その計算の基礎となる一般的に高いリアルワールドの経済前提及び安定した初年度経費負担による。
なお、低資本商品の責任準備金の比率は2018年の56.7%、2019年の60.5%、2020年の62.7%に対して、2021年はさらに上昇して67.7%となった。
(2022年05月26日「基礎研レポート」)
中村 亮一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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2025/04/25 | 欧州大手保険グループの2024年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- | 中村 亮一 | 基礎研レポート |
2025/04/14 | 欧州大手保険グループの地域別の事業展開状況-2024年決算数値等に基づく現状分析- | 中村 亮一 | 基礎研レポート |
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