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EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(5)-EIOPAの2020年報告書の概要報告-
中村 亮一
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これまでの4回のレポートでは、EIOPA(欧州保険年金監督局)が2020年12月3日に公表 した「長期保証措置と株式リスク措置に関する報告書2020(Report on long-term guarantees measures and measures on equity risk 2020)」に基づいて、EU(欧州連合)のソルベンシーIIにおける長期保証(Long-Term Guarantees:LTG)措置及び株式リスク措置に関しての保険会社の適用状況やその財務状況に及ぼす影響について、全体的な状況及び措置毎、国別、会社毎の状況の概要を報告した。
今回のレポートでは、EIOPAの報告書の第2のセクションに記載されているLTG措置や株式リスク措置が直接的に会社の財務状況に与える影響以外の項目のうち、保険契約者保護、保険会社の投資に与える影響について報告する 。
以下の章では、UFR(Ultimate Forward Rate:終局フォワードレート)の使用、MA(マッチング調整)、VA(ボラティリティ調整)、TRFR(リスクフリー金利に関する移行措置)、TTP(技術的準備金に関する移行措置)、ERP(ソルベンシー資本要件に準拠しない場合の回復期間の延長)、ED(又はSA)(株式リスクチャージの対称調整メカニズム)、DBER(デュレーションベースの株式リスクサブモジュール)といった8つのLTG措置及び株式リスク措置の中から、MA、VA、TRFR、TTPの4つの措置を中心に、これらが先に掲げたそれぞれの項目に与える影響についての分析結果を報告している。なお、各措置による保険契約者保護、保険会社の投資に与える影響については、それぞれの措置に関する適用状況の報告でも触れているが、これらの報告内容については今回のレポートの中で重複して報告していない。
■目次
1―はじめに
2―LTG措置等の保険契約者保護への影響
1|調査概要
2|NSAsによる評価手法
3|NSAsによる具体的な調査結果
3―LTG措置等の保険会社の投資に与える影響
1|調査概要
2|具体的な調査結果
4―まとめ
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