2020年09月03日

年金手続の時宜に適った見直しを

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新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、世の中ではソーシャルディスタンスの確保が求められている。小売店などでは担当者と利用者の間に透明シートを設置し、極力、他人との接触が避けられる方向にある。その他、テレワーク推進のため押印の省略が進むなど、様々な局面で生活や働き方への変化が見られる。

翻って年金関連ではどうか。年金に関する諸手続に際して、自署押印、書面での提出、対面での本人確認等を未だに求めていないだろうか。年金で求められる手続の多くについては、頻繁に必要なものでないため、オンラインで完結するようにシステム構築するコストは、割に合わないものと考えられて来たはずである。

年金の受給開始手続は、一度きりのものかもしれない。勤務継続中は、勤務先が住所や口座を把握しており、年金での固有な手続が不要であろう。しかし、退職してからも、住所や銀行口座の変更等様々な手続は必要であり、複数回の変更も十分に発生し得る。

ソーシャルディスタンス確保の要請に対応して、年金に関する諸手続を見直し迅速化やオンライン化を進めるべきだろう。企業年金だけでなく、公的年金等でも同様である。窓口に本人が出向かないと何も進まないのは、あまりにも時宜に適ったものではない。

(2020年09月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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