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- ラグビー代表チームの愛称とその由来を知っていますか?-(その2)日本以外の北半球の国々-
コラム
2019年10月11日
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はじめに
ラグビーワールドカップも、いよいよ今週末で予選プールが終了して、ベスト8のチームが出揃うことになる。これにより、12チームが予選プールで敗退し、全体20チームのうちの5分の3が舞台から消え去ることになる。
前回の研究員の眼で、日本及び南半球の国々のラグビー代表チームの愛称とその由来について紹介したが、今回は日本以外の北半球の国々を取り上げることとする。
前回の研究員の眼で、日本及び南半球の国々のラグビー代表チームの愛称とその由来について紹介したが、今回は日本以外の北半球の国々を取り上げることとする。
イングランドの代表チームの愛称とその由来は?
まずは、ラグビーの発祥国イングランドの代表チームについてであるが、実はイングランド代表には正式な愛称はないとされている。一般的には、そのユニフォーム(ジャージ)のエンブレムに描かれている赤いバラから、「レッドローズ(Red Rose)」と呼ばれている。イングランド代表は白いユニフォームであることから、「赤いバラ」が極めて印象的なものとなっている。
この「赤いバラ」のエンブレムの由来については、諸説あるようだ。
そもそも「バラ」は、イングランドの国花(floral emblem又はstate flower)である。そのなかでも赤いバラが一般的によく知られている。これに関連して、以下の説明が行われているようだ。
・ランカスター家(赤いバラがシンボル)とヨーク家(白いバラがシンボル)との間の「薔薇戦争(Wars of the Roses)」が終結して、ヘンリー7世(ランカスター家)とエリザベス(ヨーク家)との結婚に伴い、両家の融合として、赤と白を結合したいわゆる「テューダー・ローズ( Tudor rose)」のエンブレムが採用された。ところが、エリザベス1世をはじめとしたその後の英国君主はランカスター家の血筋が継いでいたため、赤いバラがより強くなっていった。従って、イングランドのラグビー協会も赤いバラを選択した。
これに対して、以下の説もあるようだ。
・ラグビー誕生の地であるラグビー校の創始者である Lawrence Sheriff がエリザベス1世より、紋章を贈られ、赤いバラの使用を許された。彼がラグビー校を設立した時に、その紋章は彼自身の紋章に基づいていたため、赤いバラがラグビー校の紋章となった。代表チームの白いユニフォームは、ラグビー校で使用されていた白いキットに由来しているため、赤いバラもラグビー校の紋章からきた。
・赤いバラはランカスター家のランカシャー州のシンボルだったが、1871年に代表選手の選考及びユニフォームやマークの選定を行った小委員会のうち、2人がランカシャー州(リバプールとマンチェスター)の出身であり、彼らがキットの選択を担当した。
これらの3つの説のうち、どれが正しいのかについてはよくわからないようだが、いずれにしても、ベースはランカスター家のシンボルに由来しているようであり、イングランドの人々にとって、赤いバラが特別な意味合いを有していることだけは確かである。
この「赤いバラ」のエンブレムの由来については、諸説あるようだ。
そもそも「バラ」は、イングランドの国花(floral emblem又はstate flower)である。そのなかでも赤いバラが一般的によく知られている。これに関連して、以下の説明が行われているようだ。
・ランカスター家(赤いバラがシンボル)とヨーク家(白いバラがシンボル)との間の「薔薇戦争(Wars of the Roses)」が終結して、ヘンリー7世(ランカスター家)とエリザベス(ヨーク家)との結婚に伴い、両家の融合として、赤と白を結合したいわゆる「テューダー・ローズ( Tudor rose)」のエンブレムが採用された。ところが、エリザベス1世をはじめとしたその後の英国君主はランカスター家の血筋が継いでいたため、赤いバラがより強くなっていった。従って、イングランドのラグビー協会も赤いバラを選択した。
これに対して、以下の説もあるようだ。
・ラグビー誕生の地であるラグビー校の創始者である Lawrence Sheriff がエリザベス1世より、紋章を贈られ、赤いバラの使用を許された。彼がラグビー校を設立した時に、その紋章は彼自身の紋章に基づいていたため、赤いバラがラグビー校の紋章となった。代表チームの白いユニフォームは、ラグビー校で使用されていた白いキットに由来しているため、赤いバラもラグビー校の紋章からきた。
・赤いバラはランカスター家のランカシャー州のシンボルだったが、1871年に代表選手の選考及びユニフォームやマークの選定を行った小委員会のうち、2人がランカシャー州(リバプールとマンチェスター)の出身であり、彼らがキットの選択を担当した。
これらの3つの説のうち、どれが正しいのかについてはよくわからないようだが、いずれにしても、ベースはランカスター家のシンボルに由来しているようであり、イングランドの人々にとって、赤いバラが特別な意味合いを有していることだけは確かである。
ウェールズの代表チームの愛称とその由来は?
ウェールズの代表チームは「レッドドラゴンズ(Red Dragons)」と呼ばれている。
これは、「レッドドラゴン(赤い竜)」が、ウェールズの国旗にも描かれているように、ウェールズの象徴となっていることによる。ユニフォームも極めて印象的な「真紅の赤」となっている。
では、なぜ「レッドドラゴン(赤い竜)」なのか、ということになるが、これは古代の英国がブリタニアと呼ばれていた時代にローマ帝国の支配下にあり、当時のローマ軍が使用していた軍旗に描かれていたトビトカゲが由来であると言われているようである。この軍旗をウェールズの君主の多くが使用してきたことから、ウェールズの国旗にも描かれることになったようである。
因みに、エンブレムは、「ウェールズ公の羽根(Prince of Wales’s feathers)の紋章」で、金の王冠と3枚の駝鳥(ダチョウ)の羽根が描かれている。
これは、「レッドドラゴン(赤い竜)」が、ウェールズの国旗にも描かれているように、ウェールズの象徴となっていることによる。ユニフォームも極めて印象的な「真紅の赤」となっている。
では、なぜ「レッドドラゴン(赤い竜)」なのか、ということになるが、これは古代の英国がブリタニアと呼ばれていた時代にローマ帝国の支配下にあり、当時のローマ軍が使用していた軍旗に描かれていたトビトカゲが由来であると言われているようである。この軍旗をウェールズの君主の多くが使用してきたことから、ウェールズの国旗にも描かれることになったようである。
因みに、エンブレムは、「ウェールズ公の羽根(Prince of Wales’s feathers)の紋章」で、金の王冠と3枚の駝鳥(ダチョウ)の羽根が描かれている。
スコットランドの代表チームの愛称とその由来は?
スコットランドの代表チームについては、一般化された愛称は存在しないようだ。
エンブレムは、スコットランドの象徴で国花とされる「アザミ(Thistle)」が描かれている。因みに、「スコットランドの花(Flower of Scotland)」は、スコットランドの非公式な国歌として、今日、広く認められている歌であり、スコットランド代表が出場するラグビーやサッカーの国際試合で「アンセム(賛歌)」として歌われるが、これはまさに「アザミ」を指している。
前回の研究員の眼で紹介したように、ことラグビーに関しては、スコットランドは日本と深い因縁がある。過去のワールドカップでは3回対戦している(第2回 9-47、第5回 11-32、第8回 10-45)。なお、スコットランドにとって、日本は最大得点差勝利(Biggest win)の国際試合の相手国でもあるようだ(2004年11月13日に100-8で勝利)。
エンブレムは、スコットランドの象徴で国花とされる「アザミ(Thistle)」が描かれている。因みに、「スコットランドの花(Flower of Scotland)」は、スコットランドの非公式な国歌として、今日、広く認められている歌であり、スコットランド代表が出場するラグビーやサッカーの国際試合で「アンセム(賛歌)」として歌われるが、これはまさに「アザミ」を指している。
前回の研究員の眼で紹介したように、ことラグビーに関しては、スコットランドは日本と深い因縁がある。過去のワールドカップでは3回対戦している(第2回 9-47、第5回 11-32、第8回 10-45)。なお、スコットランドにとって、日本は最大得点差勝利(Biggest win)の国際試合の相手国でもあるようだ(2004年11月13日に100-8で勝利)。
アイルランドの代表チームの愛称とその由来は?
アイルランドの代表チームについても、一般化された愛称は存在しないようだ。
今回のワールドカップに出場している20カ国のうち、明確に愛称がないといえるのはアイルランドとスコットランドの2カ国であるが、この2カ国が日本と同じ予選プールに属していたということになる。
なお、エンブレムは、アイルランドの国花である「シャムロック(shamrock)」(マメ科のクローバー)がモチーフになっている。ご存知の方も多いと思うが、アイルランドのラグビー代表チームは、いわゆるアイルランドだけでなく、英国の一部である北アイルランドの選手も含まれている。「シャムロック」は北アイルランドの国花でもある。
なお、テレビ等でよくみかけるアイルランドラグビー協会の旗は、中心に白のフィールドにシャムロックのエンブレム、その周りに左上から時計回りのアルスター、レンスター、コノート、マンスターの4地域の紋章が配置されている。
今回のワールドカップに出場している20カ国のうち、明確に愛称がないといえるのはアイルランドとスコットランドの2カ国であるが、この2カ国が日本と同じ予選プールに属していたということになる。
なお、エンブレムは、アイルランドの国花である「シャムロック(shamrock)」(マメ科のクローバー)がモチーフになっている。ご存知の方も多いと思うが、アイルランドのラグビー代表チームは、いわゆるアイルランドだけでなく、英国の一部である北アイルランドの選手も含まれている。「シャムロック」は北アイルランドの国花でもある。
なお、テレビ等でよくみかけるアイルランドラグビー協会の旗は、中心に白のフィールドにシャムロックのエンブレム、その周りに左上から時計回りのアルスター、レンスター、コノート、マンスターの4地域の紋章が配置されている。
フランスの代表チームの愛称とその由来は?
フランスの代表チームは「レ・ブリュ(Les Bleus)」と呼ばれている。
これは、フランス代表のユニフォームが「青色」であることに由来している。サッカー代表の愛称も「レ・ブリュ(Les Bleus)」となっている。
エンブレムは、国旗と同じくトリコロール(青、赤、白)で、雄鶏(Coq)をモチーフとしている。雄鶏(Coq)は、フランスの男性の象徴であり、サッカー等のナショナルチームのユニフォームにも使用されている。
フランスのプレースタイルは「シャンパンラグビー」と評されるが、これは全員が連携して次から次へとパスを繋いで前進するプレーが伝統で、次から次へと人が現れ、ボールが常に動いている様からシャンパンの泡が弾ける様子に掛けて、このように呼ばれている。
これは、フランス代表のユニフォームが「青色」であることに由来している。サッカー代表の愛称も「レ・ブリュ(Les Bleus)」となっている。
エンブレムは、国旗と同じくトリコロール(青、赤、白)で、雄鶏(Coq)をモチーフとしている。雄鶏(Coq)は、フランスの男性の象徴であり、サッカー等のナショナルチームのユニフォームにも使用されている。
フランスのプレースタイルは「シャンパンラグビー」と評されるが、これは全員が連携して次から次へとパスを繋いで前進するプレーが伝統で、次から次へと人が現れ、ボールが常に動いている様からシャンパンの泡が弾ける様子に掛けて、このように呼ばれている。
イタリアの代表チームの愛称とその由来は?
イタリアの代表チームは「アズーリ(Azzurri)」と呼ばれている。
これも、イタリア代表のユニフォームが「青色」であることに由来している。「アズーリ(Azzurri)」というのが、まさにイタリア語の「青」の複数形となっている。イタリアでは、サッカー代表も「アズーリ(Azzurri)」と呼ばれており、基本的には男子のナショナルチームには、この呼称が使用されている。従って、フランスとイタリアは、同じくユニフォームの色に由来した愛称を有していることになる。
なお、エンブレムには、緑、白、赤からなるイタリア国旗が描かれている。
これも、イタリア代表のユニフォームが「青色」であることに由来している。「アズーリ(Azzurri)」というのが、まさにイタリア語の「青」の複数形となっている。イタリアでは、サッカー代表も「アズーリ(Azzurri)」と呼ばれており、基本的には男子のナショナルチームには、この呼称が使用されている。従って、フランスとイタリアは、同じくユニフォームの色に由来した愛称を有していることになる。
なお、エンブレムには、緑、白、赤からなるイタリア国旗が描かれている。
ロシアの代表チームの愛称とその由来は?
ロシアの代表チームは「ベアーズ(Bears)」と呼ばれている。
これは、ロシア代表のエンブレムが「熊(bear)」がモチーフになっていることに由来している。
熊は、ロシアの国獣(national animal)となっている。なお、一般の人は、ロシアにおける熊といえば、いわゆる「ホッキョクグマ(シロクマ)(Polar bear)」をイメージすることが多いかもしれないが、国獣としての熊は、必ずしも「ホッキョクグマ(シロクマ)」というわけでもないようだ。
これは、ロシア代表のエンブレムが「熊(bear)」がモチーフになっていることに由来している。
熊は、ロシアの国獣(national animal)となっている。なお、一般の人は、ロシアにおける熊といえば、いわゆる「ホッキョクグマ(シロクマ)(Polar bear)」をイメージすることが多いかもしれないが、国獣としての熊は、必ずしも「ホッキョクグマ(シロクマ)」というわけでもないようだ。
ジョージアの代表チームの愛称とその由来は?
ジョージアの代表チームは「レロス(Lelos)」と呼ばれている。
これは、ジョージアに古くから存在していた、ラグビーに良く似たスポーツの「レロ・ブルティ(Lelo burti)」から付けられている。「レロ・ブルティ」は、中世から19世紀まで、ジョージアで盛んに行われていたとのことである。この「レロ・ブルティ」は、2014年に、ジョージア政府によって無形文化財として登録されている。旧ソビエト連邦の構成国の中では、ロシアの2回目を大きく上回る5回目(2003年の初出場から5回連続)のワールドカップ出場を果たしているのは、こんな背景があることによる。
エンブレムは、ジョージアの太陽のシンボルである「ボージガーレイ」(7枚の回転対象の翼を円形にした形で構成される)が使用されている。
これは、ジョージアに古くから存在していた、ラグビーに良く似たスポーツの「レロ・ブルティ(Lelo burti)」から付けられている。「レロ・ブルティ」は、中世から19世紀まで、ジョージアで盛んに行われていたとのことである。この「レロ・ブルティ」は、2014年に、ジョージア政府によって無形文化財として登録されている。旧ソビエト連邦の構成国の中では、ロシアの2回目を大きく上回る5回目(2003年の初出場から5回連続)のワールドカップ出場を果たしているのは、こんな背景があることによる。
エンブレムは、ジョージアの太陽のシンボルである「ボージガーレイ」(7枚の回転対象の翼を円形にした形で構成される)が使用されている。
米国の代表チームの愛称とその由来は?
米国の代表チームは「イーグルス(Eagles)」と呼ばれている。
まさに、「鷲(eagle)」は、エンブレムにも使用されていることに由来している。「白頭鷲(Bald eagle)」は、米国を象徴する国鳥として、国章や多くの連邦政府や法執行機関の記章に取り入れられており、非常に有名だ。この大きな鳥の猛烈な美しさと誇り高い独立が、アメリカの強さと自由を象徴していると言われている。
因みに「bald」という英語から、ハゲワシと勘違いされることも多いが、この言葉の古い英語である「balde」は「白い(white)」という意味を有しており、従って、本来的に「シロワシ」ないしは「白頭(white headed)ワシ」ということになる。なお、「ハゲワシ」のことは英語で「Vulture」(ハゲタカファンド(Vulture fund)で有名なVultureである)と呼ぶ。
まさに、「鷲(eagle)」は、エンブレムにも使用されていることに由来している。「白頭鷲(Bald eagle)」は、米国を象徴する国鳥として、国章や多くの連邦政府や法執行機関の記章に取り入れられており、非常に有名だ。この大きな鳥の猛烈な美しさと誇り高い独立が、アメリカの強さと自由を象徴していると言われている。
因みに「bald」という英語から、ハゲワシと勘違いされることも多いが、この言葉の古い英語である「balde」は「白い(white)」という意味を有しており、従って、本来的に「シロワシ」ないしは「白頭(white headed)ワシ」ということになる。なお、「ハゲワシ」のことは英語で「Vulture」(ハゲタカファンド(Vulture fund)で有名なVultureである)と呼ぶ。
カナダの代表チームの愛称とその由来は?
カナダの代表チームは「メイプルリーフス(Maple Leafs)」と呼ばれている。
カナダの国旗がまさに「メイプルリーフ(Maple Leaf)」(カエデの葉)を有しており、「メイプルリーフ(Maple Leaf)」はカナダを代表している。
カエデの一種であるサトウカエデ(Sugar maple)はカナダを代表する木で、美しい紅葉やその樹液からメープルシロップが作られることなどで良く知られている。開拓時代、食べ物がない冬の間に、先住民の教えでカエデの樹液をすすって飢えをしのいだということから、カナダの厳しい自然の中での暮らしを象徴するものとなっている。
なお、エンブレムもメイプルリーフの真ん中にラグビー選手が描かれたものとなっている。
カナダの国旗がまさに「メイプルリーフ(Maple Leaf)」(カエデの葉)を有しており、「メイプルリーフ(Maple Leaf)」はカナダを代表している。
カエデの一種であるサトウカエデ(Sugar maple)はカナダを代表する木で、美しい紅葉やその樹液からメープルシロップが作られることなどで良く知られている。開拓時代、食べ物がない冬の間に、先住民の教えでカエデの樹液をすすって飢えをしのいだということから、カナダの厳しい自然の中での暮らしを象徴するものとなっている。
なお、エンブレムもメイプルリーフの真ん中にラグビー選手が描かれたものとなっている。
まとめ
以上、2回に分けて、ラグビー代表チームの愛称とその由来について紹介してきた。
今回の北半球の国々の代表チームは、スコットランドやアイルランドのように必ずしも愛称を有していない国や、フランスやイタリアのように、その愛称がラグビー代表チーム固有のものではない国もある等、多彩なパターンを示している。愛称を有している国は、殆どがそのユニフォームの色やユニフォームの胸に輝くエンブレムに由来している。そして、そのエンブレムは前回の研究員の眼でも述べたように、各国を代表する動植物等に因んでいることが多いことがわかる。ある意味で当然のことと言えるだろう。
その中で、前回のラグビーの最強豪国であるニュージーランドの「オールブラックス」の由来と同様に、ラグビーの発祥国であるイングランドの「レッドローズ」の由来が今ひとつ明確でないというのは、何とも興味深い話であるように思われる。
実は、愛称の存在は、ある意味で、代表チームの国家的な要素を一定程度希薄化させる効果がある。ニュージーランド代表は、「オールブラックス」という愛称があるからこそ、これだけ世界中の人々から人気を集めて愛されているのだと思われる。
皆さんもご承知のように、ラグビーの代表チームは、選手の国籍に関わらず、一定の要件を満たせば、ナショナルチームの代表となることができる。ある意味で、非常にグローバル化が進んでいるともいえる。
その中で、愛称の存在は、(もちろん、殆どの国の愛称自体が、各国の特性を反映したものとなっているのだが、それにも関わらず)こうしたチームカラーを、国とは独立した形で、世界中の人々が誰でも自分の好きなチームを応援できる雰囲気を醸成することに一定程度貢献しているものと思われる。
我々が日常何気なく親しんでいる「愛称」ではあるが、それが決定されてきた歴史的な経緯等には、それぞれの思いや背景があるのだということを改めて感じさせられる。
今回の北半球の国々の代表チームは、スコットランドやアイルランドのように必ずしも愛称を有していない国や、フランスやイタリアのように、その愛称がラグビー代表チーム固有のものではない国もある等、多彩なパターンを示している。愛称を有している国は、殆どがそのユニフォームの色やユニフォームの胸に輝くエンブレムに由来している。そして、そのエンブレムは前回の研究員の眼でも述べたように、各国を代表する動植物等に因んでいることが多いことがわかる。ある意味で当然のことと言えるだろう。
その中で、前回のラグビーの最強豪国であるニュージーランドの「オールブラックス」の由来と同様に、ラグビーの発祥国であるイングランドの「レッドローズ」の由来が今ひとつ明確でないというのは、何とも興味深い話であるように思われる。
実は、愛称の存在は、ある意味で、代表チームの国家的な要素を一定程度希薄化させる効果がある。ニュージーランド代表は、「オールブラックス」という愛称があるからこそ、これだけ世界中の人々から人気を集めて愛されているのだと思われる。
皆さんもご承知のように、ラグビーの代表チームは、選手の国籍に関わらず、一定の要件を満たせば、ナショナルチームの代表となることができる。ある意味で、非常にグローバル化が進んでいるともいえる。
その中で、愛称の存在は、(もちろん、殆どの国の愛称自体が、各国の特性を反映したものとなっているのだが、それにも関わらず)こうしたチームカラーを、国とは独立した形で、世界中の人々が誰でも自分の好きなチームを応援できる雰囲気を醸成することに一定程度貢献しているものと思われる。
我々が日常何気なく親しんでいる「愛称」ではあるが、それが決定されてきた歴史的な経緯等には、それぞれの思いや背景があるのだということを改めて感じさせられる。
(2019年10月11日「研究員の眼」)
中村 亮一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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2025/03/10 | ドイツの民間医療保険及び民間医療保険会社の状況(2)-2023年結果- | 中村 亮一 | 保険・年金フォーカス |
2025/03/03 | ドイツの民間医療保険及び民間医療保険会社の状況(1)-2023年結果- | 中村 亮一 | 保険・年金フォーカス |
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