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- 年金改革ウォッチ 2019年8月号~ポイント解説:企業型確定拠出年金のガバナンス
2019年08月06日
1 ―― 先月までの動き
先月の企業年金・個人年金部会では、企業年金のガバナンス等が議論された。次回は個人型確定拠出年金等が議題となり、同回で1巡目の議論が終わる見込みである。資金運用部会では、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の平成30年度の業務実績評価や中期目標の評価等について、活発な意見交換が行われた。
○社会保障審議会 企業年金・個人年金部会
7月24日(第6回) 企業年金のガバナンス等、その他
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05868.html (資料)
○社会保障審議会 資金運用部会
7月29日(第9回) GPIFの平成30年度業務実績評価、GPIFの中期目標期間見込評価など
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205486_00004.html (資料)
○社会保障審議会 企業年金・個人年金部会
7月24日(第6回) 企業年金のガバナンス等、その他
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05868.html (資料)
○社会保障審議会 資金運用部会
7月29日(第9回) GPIFの平成30年度業務実績評価、GPIFの中期目標期間見込評価など
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205486_00004.html (資料)
2 ―― ポイント解説:企業型確定拠出年金のガバナンス
先月の企業年金・個人年金部会(以下、部会)では、企業年金ガバナンスの一環として企業型確定拠出年金のガバナンスが議論された。本稿では、その制度や現状、課題について確認する。
部会では事例の1つとして、同じ指標に基づくインデックスファンドで手数料が低い商品が導入されたにもかかわらず、手数料が高い商品を保有し続けている例が紹介された。この場合、事業主が従業員に対して手数料が安い商品への乗り換えを直接的に勧めることは、運用商品の推奨に該当するため禁止されている。しかし、加入者自らが気付いて運用商品を変更できるよう全社的に運用概況を開示することや、事業主が状況を把握して運用商品を除外(廃止)することは可能である。
企業型確定拠出年金に関するガバナンス活動の事例は、企業年金連合会「企業型確定拠出年金 制度運営ハンドブック」に多数掲載されており、運営管理機関との定期的なコミュニケーションや運営管理機関からの情報入手などが推奨されている。
企業型確定拠出年金に関するガバナンス活動の事例は、企業年金連合会「企業型確定拠出年金 制度運営ハンドブック」に多数掲載されており、運営管理機関との定期的なコミュニケーションや運営管理機関からの情報入手などが推奨されている。
3|課題:従業員に恩恵を感じてもらうために
企業型確定拠出年金のガバナンスを法令等で課された役割や責任と考えると、企業には面倒な負担と感じられるかも知れない。しかし、従業員の勤務意欲向上などのために資金を投じて行っていることを考えれば、従業員に恩恵を感じてもらったり従業員の不安や不満を軽減するための一工夫と捉えて、より積極的に関与すべきだろう。折しも、老後の生活資金が注目を集めている。企業にとっては、ガバナンス活動やその共有を通じて従業員に恩恵を認識してもらう、良い機会ではなかろうか。
企業型確定拠出年金のガバナンスを法令等で課された役割や責任と考えると、企業には面倒な負担と感じられるかも知れない。しかし、従業員の勤務意欲向上などのために資金を投じて行っていることを考えれば、従業員に恩恵を感じてもらったり従業員の不安や不満を軽減するための一工夫と捉えて、より積極的に関与すべきだろう。折しも、老後の生活資金が注目を集めている。企業にとっては、ガバナンス活動やその共有を通じて従業員に恩恵を認識してもらう、良い機会ではなかろうか。
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経歴
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
(2019年08月06日「保険・年金フォーカス」)
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