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大きな(または小さな)数字の表し方ー単位の話に出てくる数の表記の仕方など

保険研究部 主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任 安井 義浩
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大きいほうでは、キロは馴染み深いし、ヘクトは「ヘクトパスカル」などという単位が台風情報でよく使われるのを耳にする。さらに大きいところでは、スマホなどのデータ量とかで、「メガバイト(MB)」、「ギガバイト(GB)」などまではよく見聞きするだろう。
(ところが、こうした情報分野では2進法がよく使われることもあって、データ量の単位「バイト」については、単純に1000倍ではなく1024=210倍毎に、呼び方が昇格するそうだが。)
小さいほうは、ミリ、マイクロなどは日常的にでてくるかもしれない。
さらに「ナノ」は、超小型の世界の技術を「ナノテクノロジー」と呼ぶことから耳にすることがあろう。この呼び名は、10-9 mの世界、だいたい原子・分子のスケールで、素材などを制御する技術であることから来ている。
【文系?編】
難しい漢字が多いので文系?編とでも呼んで、別の方面からの数の単位の呼称を見てみよう*2。
野球の打率といえば、例えば「3割2分1厘」などという。だから「「分」は100分の1だ(?)」という誤解がある(というか、日頃は考えもしないが。)。しかし別の場面では、「七分咲き」、「腹八分目」、「五分五分」などのように10分の1の意味で使うことが多い。すると「割」はどこにいった?と思うかもしれない。「割」も10分の1の表現であるが、先ほどの打率などの表現では「分は割に対しての10分の1」を表しているそうな。
3割2分1厘 =「3.21割」= 3割+ 1割の1/10が2個 +1割の1/100が1個と解釈すべきだそうだ。
単独で話題にするのも気が引けるので、ついでに、これらの表にでてくる「マイナス乗」とか、「ゼロ乗」について補足しておく。
ナントカの0乗は1である。
10のマイナス3乗は1/(10の3乗)である、など。
これらは、何乗という部分が「掛け算なのに、足し算になる」規則を通用させるために、以下のように、決めたのである。
素朴なほうからいくと、例えば
103=10×10×10
などである。肩に乗っている回数だけ、もとの数値をかけあわせればよい。
また
102×103 = (10×10×10)×(10×10)= 102+3 = 105
となどと、全体は掛け算なのに、肩の数字は「足し算」すればよい。
これが一番大切なところである。このことが、マイナスの数字でも、ゼロでも成り立ってくれればいいのに。この願いをかなえるようにすると、例えば
102+0=102×100 普通に書くと 100=100×100
だから、ここは 100=1 であってくれればいい。というわけで、ゼロ以外の数字のゼロ乗は1と取り決める。
さらに、肩にのっている数字が引き算でも、そうしてよいとすれば、例えば
1 = 100 = 102-2 = 102×10-2
だから、10-2は102の逆数であってくれれば、すべてうまくいく。
これで肩に乗る数は、自然数だけでなくどんな整数でも、足し引きする計算をしてもよいことになった。また今の話の中では「10の」なん乗としてきたが、10の代わりにどんな数でもいい。*3
この先は、肩に乗る数について、整数ばかりでなく分数でもいいし、分数で表されない√2のような無理数でも成り立つように、という感じでうまく決めていく。最後は複素数(2乗して-1になる数iも含めた数)でも定義することができて、だいたい自然に計算できるようになっている。
究極的には、例えば、iiなどという数も計算できるが、やめておく。理工系学生向けでない出版物は、算式が一つあるごとに、販売部数が半減する、と何かで読んだ記憶がある(別にかまわないが。)。
*1 理科年表2018版
*2 これは、理系編と違って、理科年表にあるような正式の定義かどうかは確認できない。諸説ある部分も含まれている。
*3 実は0だけはちょっと都合が悪いので、00は考えない。またマイナスの数の何乗は相当ややこしくなるので、それを考えたいなら、本格的に勉強したほうが、こんないい加減な解説を読むよりいいだろう。
(2018年10月23日「研究員の眼」)

03-3512-1833
- 【職歴】
1987年 日本生命保険相互会社入社
・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
2012年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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