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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(11月号)~輸出は新型スマホ発売の影響で好調続く
2017年11月10日
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17年9月のASEAN主要6カ国の輸出(ドル建て通関ベース)は前年同月比13.2%増と、前月の同16.4%増から低下したものの、3ヵ月連続の二桁増を記録した(図表1)。輸出はイスラム教の宗教行事の影響で上下に振れているものの、増加傾向は続いている。足元では海外経済の回復や新型スマートフォン発売を背景に電子部品需要の増加や一次産品の価格上昇が輸出全体を押し上げている。
先行きの輸出はスマートフォン関連製品を中心に年内まで好調を維持するだろう。来年はベース効果の剥落や半導体需要のピークアウトを受けて伸び率は一桁台に落ち着いていくと予想する。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、9月は各地域の伸びは鈍化したが、増加基調に変化は見られない。東アジア向けは同11.8%増と二桁増を維持したものの、北米向け(同8.2%減)とEU向け(同9.7%増)、東南アジア向け(同8.7%増)は3ヵ月ぶりの一桁台の伸びとなった(図表2)。
先行きの輸出はスマートフォン関連製品を中心に年内まで好調を維持するだろう。来年はベース効果の剥落や半導体需要のピークアウトを受けて伸び率は一桁台に落ち着いていくと予想する。
ASEAN5カ国の仕向け地別の輸出動向を見ると、9月は各地域の伸びは鈍化したが、増加基調に変化は見られない。東アジア向けは同11.8%増と二桁増を維持したものの、北米向け(同8.2%減)とEU向け(同9.7%増)、東南アジア向け(同8.7%増)は3ヵ月ぶりの一桁台の伸びとなった(図表2)。
タイの17年9月の輸出額は前年同月比12.2%増と、前月の同13.2%増から小幅に低下したものの、5ヵ月連続の二桁増となった。輸出の伸びは電子機器や機械装置などの工業製品、天然ゴム・同製品を中心に好調が続いており、バーツ高の影響は軽微にとどまっている。一方、輸入額は前年同月比9.7%増と、前月の同14.9%増から低下した。結果、貿易収支は33.6億ドルの黒字となり、前月から12.7億ドル増加した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同12.5%増(前月:同12.2%増)と小幅に上昇し、好調が続いている(図表4)。工業製品の内訳を見ると、航空機・船舶・機関車(同53.1%増)や電子機器(同10.9%増)の好調が続いたほか、機械・装置(同8.3%増)や自動車・部品(同6.0%増)、石油化学製品(同6.5%増)も堅調な伸びを維持した。また農産品・加工品が同4.7%増(前月:同17.1%増)と低下した。天然ゴム(同22.4%増)やゴム製品(同37.2%増)、加工食品(同9.4%増)は引き続き好調だったものの、飲料(同0.0%増)が低調だったほか、好調だったコメ(同6.3%増)の伸びが鈍化した。鉱業・燃料は同44.8%増(前月:同19.0%増)と、石油製品を中心に上昇して2ヵ月連続の二桁増となった。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同12.5%増(前月:同12.2%増)と小幅に上昇し、好調が続いている(図表4)。工業製品の内訳を見ると、航空機・船舶・機関車(同53.1%増)や電子機器(同10.9%増)の好調が続いたほか、機械・装置(同8.3%増)や自動車・部品(同6.0%増)、石油化学製品(同6.5%増)も堅調な伸びを維持した。また農産品・加工品が同4.7%増(前月:同17.1%増)と低下した。天然ゴム(同22.4%増)やゴム製品(同37.2%増)、加工食品(同9.4%増)は引き続き好調だったものの、飲料(同0.0%増)が低調だったほか、好調だったコメ(同6.3%増)の伸びが鈍化した。鉱業・燃料は同44.8%増(前月:同19.0%増)と、石油製品を中心に上昇して2ヵ月連続の二桁増となった。
マレーシアの17年9月の輸出額は前年同月比12.0%増と、前月の同14.2%増から低下したものの、二桁増を維持した。輸出の伸び率は宗教行事の影響で上下に振れているが、主力の電気・電子製品を中心に好調を推移している。一方、輸入額も前年同月比12.4%増と、前月の同15.0%増から低下した結果、貿易収支は20.4億ドルの黒字と、前月から2.9億ドル黒字が縮小した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同14.9%増(前月:同12.7%増)、主力の電気・電子製品(同14.8%増)を中心に上昇した(図表6)。また鉱物性燃料も同10.4%増(前月:同32.9%増)と高水準を維持した。原油(同7.3%減)が低迷する一方、石油製品(同10.4%増)と天然ガス(同5.5%増)が堅調に拡大した。一方、動植物性油脂は同4.2%減(前月:同12.9%減)とパーム油を中心に低迷したほか、化学製品が同1.2%増(前月:同8.5%増)と鈍化した。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同14.9%増(前月:同12.7%増)、主力の電気・電子製品(同14.8%増)を中心に上昇した(図表6)。また鉱物性燃料も同10.4%増(前月:同32.9%増)と高水準を維持した。原油(同7.3%減)が低迷する一方、石油製品(同10.4%増)と天然ガス(同5.5%増)が堅調に拡大した。一方、動植物性油脂は同4.2%減(前月:同12.9%減)とパーム油を中心に低迷したほか、化学製品が同1.2%増(前月:同8.5%増)と鈍化した。
インドネシアの17年9月の輸出額は前年同月比15.6%増と、前月の同19.2%増から鈍化したものの、3ヵ月連続の二桁増となった。輸出の伸び率は宗教行事の影響で上下に振れているが、中国向けを中心に資源関連輸出が好調で高水準を維持している。一方、輸入額は前年同月比13.1%増(前月:同9.1%増)と前年の水準が低かったために上昇した。結果、貿易収支は17.6億ドルの黒字と、前月から0.4億ドル増加した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、石油ガスが同35.6%増(前月:同12.1%増)と一段と上昇した(図表8)。非石油ガスでは、輸出全体の7割を占める製造品が同12.0%増(前月:同21.5%増)と鈍化した。アパレル(同16.2%増)、動植物性油脂(同23.9%増)が高水準を維持する一方、電気機械(同2.5%減)が落ち込んだ。また鉱業品は同29.6%増(前月:同16.6%増)と上昇した一方、農産品は同9.2%減(前月:同2.4%減)とマイナス幅が拡大した。
輸出を品目別に見ると、石油ガスが同35.6%増(前月:同12.1%増)と一段と上昇した(図表8)。非石油ガスでは、輸出全体の7割を占める製造品が同12.0%増(前月:同21.5%増)と鈍化した。アパレル(同16.2%増)、動植物性油脂(同23.9%増)が高水準を維持する一方、電気機械(同2.5%減)が落ち込んだ。また鉱業品は同29.6%増(前月:同16.6%増)と上昇した一方、農産品は同9.2%減(前月:同2.4%減)とマイナス幅が拡大した。
(2017年11月10日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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