2017年11月07日

EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第1の助言セットを欧州委員会に提出

中村 亮一

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■要旨

ソルベンシーIIに関しては、EIOPA(欧州保険年金監督局)が、欧州委員会からの要請を受けて、その見直しの検討を行っている。EIOPAは、2017年7月4日に「ソルベンシーII委任規則の特定項目に関する欧州委員会へのEIOPAの第1の助言セットに関するコンサルテーション・ペーパー(CP)」を公表しており、その内容については、基礎研レポート「EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第1の助言セットについてのCPを公表(1)-欧州委員会に対する助言内容-」(2017.8.21)及び「EIOPAがソルベンシーIIレビューに関する第1の助言セットについてのCPを公表(2)-政策オプションの影響評価-」(2017.8.22)で報告した。さらには、これに対する欧州保険業界団体からの意見については、保険年金フォーカス「EIOPAのソルベンシーIIレビューに関するCPに対する反応-欧州保険業界団体からの意見-」(2017.9.11)で報告した。

EIOPAは、こうした意見も踏まえて、さらなる検討を進めていたが、2017年10月30日に、「ソルベンシーII委任規則の特定項目のレビューに関する第1の助言セット」(以下、「第1の助言セット」という)をまとめて、欧州委員会に提出した、と公表した。

今回のレポートでは、この第1の助言セットについて、その概要を報告する。

■目次

1―はじめに
2―今回の第1の助言セットの概要
  1|ソルベンシーIIのレビューの背景-これまでの経緯-
  2|今回の助言セットの位置付け及び構成
  3|EIOPAによるプレスリリースの内容
3―今回のEIOPAによる第1の助言セットの具体的内容
  1|簡素化された計算の適用基準の明確化等
  2|外部信用格付けへの依存度の低減
  3|保証、第三者によって保証されるエクスポージャー、地域政府と地方自治体(RGLA)への
    エクスポージャーの取扱の銀行の枠組みとの整合性の確保等
  4|リスク軽減技術の評価とそれに対する考え方の明確化
  5|ルックスルー・アプローチの適用拡大
  6|会社及びグループ固有のパラメータ(Undertaking Specific Parameter
    :USP&Group Specific Parameter: GSP)の適用状況の評価等
  7|繰延税金の損失吸収能力(LAC DT)の現状分析
4―まとめ
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中村 亮一

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