- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 中国経済:景気指標の総点検(2017年夏季号)~党大会までは大丈夫と囁かれる中、景気悪化のサインが点灯!
中国経済:景気指標の総点検(2017年夏季号)~党大会までは大丈夫と囁かれる中、景気悪化のサインが点灯!

三尾 幸吉郎
このレポートの関連カテゴリ
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 最近の金融マーケットを概観すると、株価はボックス圏で一進一退、人民元は小反発、住宅価格は上昇を続けており、短期金利は上昇し始めた。住宅価格の高騰を受けて中国政府は住宅バブル退治に乗り出したものの、住宅価格の上昇に歯止めは掛かっていない(下左図)。これを受けて、中国人民銀行は金融を引き締め方向にコントロール、短期金利は上昇してきた。
- 供給面を点検すると、4-5月期の工業生産は前年同期比6.6%増と1-3月期の同6.8%増を0.2ポイント下回っており、6月の動きは未反映だが4-6月期の成長率は1-3月期を下回る可能性がある。また、製造業PMIはやや低下、非製造業PMIはほぼ横ばいで推移している。
- 需要面を点検すると、個人消費は1-3月期を上回る伸びを示しており、4-6月期の成長率を押し上げる要因となる可能性が高い。一方、投資はインフラ関連や不動産開発の伸びが鈍化してきたため成長率を押し下げる要因となる可能性が高い。また、4-5月期の貿易黒字は前年同期比6.9%減となったものの、1-3月期に比べるとマイナス幅は縮小している。
- その他の重要指標を点検すると、道路貨物輸送量は高い伸びを維持しているものの、電力消費量は伸びが鈍化してきた。また、通貨供給量(M2)は政府見通しの「12%前後」を大きく下回ったものの、投資に結び付くことの多い中長期融資は高い伸びを維持している。
- 景気の動きを総合的に見るため、ニッセイ基礎研究所で開発した回帰モデルを用いて実質GDP成長率を推計したところ、4・5月はともに前年同月比6.9%増と、第1四半期(1-3月期)の実績(6.9%)と同水準を維持している。但し、当研究所で作成した「景気評価点」では景気悪化のサインが点灯、景気の先行きを注視する必要がでてきた(下右図)。
■目次
1.最近の金融マーケット
2.景気10指標の点検
1|供給面の3指標
2|需要面の3指標
3|その他の重要な4指標
3.総合指標の点検
1|景気評価点、景気悪化のサインが点灯!
2|李克強指数(修正後)、高水準で横ばい
3|経済成長率に換算すれば6.9%!
(2017年06月23日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
三尾 幸吉郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/07/30 | 図表でみる世界の人口ピラミッド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/04/05 | 不動産バブルの日中比較と中国経済の展望 | 三尾 幸吉郎 | 基礎研マンスリー |
2024/03/11 | Comparison of Real Estate Bubbles in China and Japan, and Prospects for the Chinese Economy | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【中国経済:景気指標の総点検(2017年夏季号)~党大会までは大丈夫と囁かれる中、景気悪化のサインが点灯!】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国経済:景気指標の総点検(2017年夏季号)~党大会までは大丈夫と囁かれる中、景気悪化のサインが点灯!のレポート Topへ