2017年06月05日

行く末を案じ、来し方を振り返る

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4月10 日に新しい将来推計人口が発表された。少子高齢化という大きな流れは継続しているものの、前回の推計と比べて高齢化の進行度合が緩和しているのが特徴だ。2060 年の高齢化率(総人口に占める65 歳以上の割合)は、前回推計の39.9%から今回は38.1%へと低下している(いずれも中位推計、以下同じ)。

だが、高齢化率の分子である65 歳以上の人口は、前回推計の3,464万人に対して今回は3,540 万人と、2.2%の増加になっている。にも関わらず高齢化率が低下したのは、64 歳未満の人口が前回よりも増える結果になったためだ。特に14 歳未満の人口は、前回の791 万人が今回は951 万人と、20.2%の増加になっている。

しかし、この増加は前回推計との比較である。足下(2015 年)の14歳未満人口は1,595 万人であり、2060 年までに4割低下する見通しである。しかも、この足下の水準は、約100 年前(1918 年)の1,989万人より2割少ない。これが、日本がたどってきた道である。

少子化の緩和はうれしい傾向だが、これが続いていくためには、現在の取組みを発展させた、多面的な少子化対策が求められよう。
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(2017年06月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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